「『VOGUE JAPAN』購買者データから浮かび上がる
リアルな読者像」で雑誌媒体の価値を再認識

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合同会社コンデナスト・ジャパン

VOGUE JAPAN 発行人兼ビジネスソリューション・新規ビジネス開発担当副社長 平石敬晴 氏

合同会社コンデナスト・ジャパン(以下、同社)は、グローバルに事業を展開するコンデ・ナストの日本法人。雑誌『VOGUE JAPAN』『GQ JAPAN』『WIRED』日本版の発行や、各種のデジタルメディアなどを展開するマルチメディアカンパニーです。

さまざまな分野でデジタルシフトが進みデジタルコンテンツが一般化した今、紙の雑誌は発行部数や広告売上の減少が続いており、休刊を余儀なくされた雑誌も少なくありません。

このような状況下での雑誌の存続には、広告主から評価され、安定した出稿の継続が重要なことは言うまでもありません。そこで同社では、『VOGUE JAPAN』の価値の再認識を目的として、CCCマーケティングの保有する膨大な購買データを活用した『VOGUE JAPAN』読者像の可視化を実現しました。

では、この「読者像の可視化」はどのようなプロセスで進められ、どのような成果があったのでしょうか。

また、施策のパートナーとしてCCCマーケティングを選んだ理由などについて、同社のVOGUE JAPAN 発行人兼ビジネスソリューション・新規ビジネス開発担当副社長 である平石敬晴氏にお話をうかがいました。
効果 経済的な余裕、海外への関心、自分磨きへの取り組みなど、『VOGUE JAPAN』購買者の特徴がデータによって検証・確認されたことで、媒体価値が再確認でき、広告主からの評価も向上した。
施策 CCCマーケティングが保有する購買データやライフスタイルアンケートなどを分析し、『VOGUE JAPAN』購買者層とそれ以外の雑誌の購買者層、雑誌未購読者層の相違点を可視化。前者の特徴を明確にする。
目的 「若い世代は雑誌を読まない」と言われる中、あえて紙媒体の『VOGUE JAPAN』を購入しているミレニアル世代、Z世代など若年層の実態を調査したい。

4割を占める「若い購買者層」の実態を知りたかった

『VOGUE JAPAN』の現状について、平石氏は次のように説明します。

「マーケットのトレンドとして、広告出稿が減少しているのは確かです。とはいえ、企画の深さやビジュアルの美しさなど、長年培ってきた雑誌媒体としての『VOGUE JAPAN』の価値は広告主にも浸透しており、おかげさまで広告ビジネスにおいても健闘しているという状況です。

ではなぜ、このタイミングで『VOGUE JAPAN』の購買者層を分析・可視化することにしたのでしょうか。
平石氏は「若い世代は雑誌を読まない」という、広告主の評価がひとつのきっかけだと言います。
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「一般的にそのような認識はありますが、我々が調査したところ、『VOGUE JAPAN』の購買者には、ミレニアル世代、Z世代が4割近くいることがわかりました。
実はこれ、20年前とあまり変わらない水準です。では、デジタル全盛のこの時代に、あえて紙の雑誌を読んでいる若い世代とはどのような人たちなのか。そこを明らかにすることで、『VOGUE JAPAN』の価値を改めて広告主に提示できると考えたのです」

「『VOGUE JAPAN』購買者の他書籍の購買履歴」からリアルな読者像を可視化

そして平石氏は、CCCマーケティングをパートナーとして、『VOGUE JAPAN』の購買者像の可視化に着手。その理由を、次のように明かします。

「CCCマーケティングさんが保有するデータは、約7,000万人という莫大な量に加え、内容も多岐に渡ります。客観性を担保するためにも、量と質の両面で非常に信頼性が高いと感じました」

そしてもうひとつ、平石氏が注目したのが、『VOGUE JAPAN』購買者の他書籍の購買が把握できることでした。

「我々がメディアカンパニーということも関係ありますが、『VOGUE JAPAN』の購買者が買っている、『他の書籍』を知ることで、彼女たちの趣味や興味、関心がよりわかりやすくなると感じました。このような、書籍の購買データがあるのは、TSUTAYA・蔦屋書店を展開しているCCCグループさんならではだと思います」(平石氏)

『VOGUE JAPAN』購買者は広告主の理想の顧客であることが明らかに

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具体的な作業はまず『VOGUE JAPAN』の若い読者像について仮説を立てるところから始まりました。
「『VOGUE JAPAN』の読者は、雑誌を読まない人に比べて、経済的に恵まれていて、ファッションやビューティー、アートに関心が高く、国際的な感覚があり、自分を高めることに真面目に取り組んでいる女性という仮説を立てました。そのような読者は、我々の広告主がアプローチしたいターゲットでもあります」(平石氏)

そして、購買データから「『VOGUE JAPAN』の購買履歴がある層」「競合誌を購買している層」「一般的な女性誌を購買している層」そして「雑誌を購買していない層」を抽出。
『VOGUE JAPAN』の購買者に特徴的と思われるデータをほかの各層と比較することで、『VOGUE JAPAN』の購買者像を明らかにしようという試みです。
そしてそのためには、どのような切り口で何のデータを見ていくのがよいか、両社でディスカッションを重ねながら、分析を進めていきました。

たとえば経済的な余裕を検証するのであれば、年収を見るのはもちろんひとつの方法ですが、住んでいるエリアを見る、所有する自動車を比較するという方法もあります。
その結果、『VOGUE JAPAN』の購買者は、いわゆる富裕層が多いエリアに住んでいる割合が高いことや、高額な外車の保有率が高いことが見えてきました。
このように、さまざまなデータを組み合わせることで、『VOGUE JAPAN』購買者の特徴を浮かび上がらせていきました。

この結果、最終的にわかった『VOGUE JAPAN』の読者像は、ほぼ当初に立てた仮説通り。見立ては間違っていなかったのですが「調査・分析をしていく中で、ひとつ新たな気づきがありました」と平石氏は明かします。
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「『VOGUE JAPAN』の購買者は、他の層と比べて、貯蓄が少ないというデータは目からうろこでした。これは、経済的に余裕があって、消費傾向が積極的だからこその結果なのですが、経済的な部分を分析しようとすると所得や貯蓄額に注目しがちなだけに、新たな気づきでした。彼女たちは自分がほしいものや、体験したいことについてはお金を惜しまないタイプであり、広告主にとって理想的な顧客です

媒体価値の再確認に加え、広告主の課題も解決

では、この調査結果を見た広告主の反応は、どのようなものだったのでしょうか。

「非常に高い評価をいただきました。『VOGUE JAPAN』の購買者に若い世代が多いこと、そして彼女たちは経済的に余裕があり、意識も高く、さらに消費の意欲も強いことを、客観的なデータで明確に理解いただけたと思います。
中でも特に広告主から注目されたのが、書籍の購買データでした。『VOGUE JAPAN』の購買者は、経済誌や、美意識を高めたり、自分磨きにつながる書籍を多く購買していました。やはり書籍というのは、それを読んでいる人物像をわかりやすく伝えてくれるものだと思います」(平石氏)

そしてもう1点評価されたのが、今回の分析結果が、広告主の海外本社に日本のマーケットの独自性を理解してもらうための客観的なデータとなる点だったと続けます。
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「我々の広告主の多くは海外のラグジュアリーブランドで、日本支社は海外の本社の意向を尊重し、雑誌広告よりもデジタルに重きを置くような風潮もあります。しかし、日本支社の方々は、日本では雑誌メディアはまだ健闘しており、"雑誌に掲載されたアイテムはよく動く"ことを肌身に感じています。
雑誌の力は感じつつも本社が納得する説明をするのが難しかったという課題感を抱えていた中で、我々の分析結果は雑誌へ出稿する意義の裏付けとなり、本社を説得するための資料として活用できると喜ばれています」

データ活用で雑誌の価値を守る

今回の取り組みを通じて、平石氏は、出版業界でのデータ活用の重要性を強く感じたと話します。

「現在、日本の出版社はデジタルシフトに注力しています。確かにオーディエンスの数を比較すれば、紙メディアの雑誌は、デジタルメディアにかないません。しかし、編集者の深いインサイトによる企画や、美しいビジュアルなど、メディアブランドのコアな価値の源は雑誌にあると思っています。
だからこそ、デジタルシフトを進めながら、データを活用し、雑誌の価値をしっかりと理解してもらう努力も続けていくことが、出版業界にとって非常に重要になります」

そして平石氏は、すでにCCCマーケティングと新たな分析や調査を進めているとして、次のように話を結びました。
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今後は、X世代の消費性向を深く分析していく予定ですが、いずれは富裕層の消費に関するデータ収集・分析をさらに広く進めていきたいですね。
このテーマは、我々だけでなく、広告主も非常に関心を持っているのです。広告主の期待に応えられるよう、これからもCCCマーケティングさんと一緒に、さまざまなデータを活用していきたいと考えています」
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