【TVCMの新たな選択肢】購買・行動データ×SASでリーチ効率を最大化

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キッコーマン飲料株式会社

(左)プロダクト・マネージャー室 商品企画グループ長・藤元康平 氏、(右)プロダクト・マネージャー室 商品企画グループ・齋藤由佳 氏

キッコーマン飲料株式会社(以下、同社)は、野菜飲料や果汁飲料などの販売を手がける会社です。

同社では自社商品に関して、販売データや購入者データの収集・分析を行っていますが、デモグラ以上の情報は得られておらず、購入者の嗜好や価値観の可視化はできていませんでした。

そこで同社では、「つぶ野菜」について、CCCマーケティングに、T会員のデータを活用した調査・分析で実際に商品を購入いただいているお客さま像の深堀りや、現状施策の検証を依頼。その結果をもとに、SAS(Smart Ad Sales)※1を活用してターゲットへリーチするTVCMを実施しました。

※1 SASとは、2020年2月にスタートした「15秒CMを1本単位」で購入できる、新しいTVCM枠のバイイング方法で、CCCマーケティングでは、T会員の購買・行動データと、TV視聴データを掛け合わせることで、ターゲットへのリーチの最大化を支援しています。

改めて発掘したターゲットへの効率的なアプローチ方法について、プロダクト・マネージャー室 商品企画グループ長・藤元康平氏と、プロダクト・マネージャー室 商品企画グループ・齋藤由佳氏のお二人にお話をうかがいました。
効果 購入者分析によりターゲット像がより明確になり、SASの活用でTVCMによるリーチ効率が大幅に向上
施策 T会員の購買・行動データによりターゲットを選定。さらに、新しいバイイング手法を用いてターゲットに当てたTVCMを実施
目的 購買・行動データ×TV視聴データで適切なターゲットの設定と、TVCMの効率化を図る

ターゲットの志向性までわかる鮮明なデータ分析

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同社がT会員の購買・行動データ活用に関心を抱いたきっかけについて、齋藤氏は次のように説明しました。

「私たちのグループ企業の一社が、CCCマーケティングさんからデータ活用についてご提案をいただいていたのがきっかけです。CCCマーケティングさんのデータを活用してできる調査・分析について話を聞き、私たちも活用してみたいと思い、勉強会をご依頼しました」

「そこで驚いたのが保有しているデータの母数と、その粒度です。まず母数は約7,000万人ですから、日本で生活している人の大多数のデータがあると言っても過言ではないでしょう。既存の調査だと登録しているパネルの人数に限りがあるため、発売したてであったり販売ルートが限られている商品の分析を実施しようとすると対象商品の購入者の出現数が少なく、正確なデータが得られないということがありました。そしてさらに興味深く感じたのが、年齢・性別・居住地域といったデモグラデータだけでなく、購買履歴などと紐付くことで、ユーザーのリアルなライフスタイルまで明らかにすることができることです。この点が他の調査会社などとの圧倒的な違いであり、強みだと思います。またSASの説明も受けましたが、データを活用したバイイングという手法には大きな可能性を感じました」

藤元氏はさらに、こう続けます。

「一般的な属性データだけでなく、『この人はデパ地下好きだ』『郊外に住みたいと思っているらしい』など、考え方や価値観をスコア化したデータもあり、非常に鮮明な輪郭を持ったターゲット像(=ペルソナ)が浮かび上がりました。このようにターゲットが可視化できると、施策効果を高めることはもちろん、我々が施策を進めるにあたっての、社内外の理解や協力も得やすくなります」

ターゲットを見直し、SASでリーチ効率を大幅改善

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当時、同社では「つぶ野菜」のスポットCMを展開していました。藤元氏は、そのCM効果を深堀りしたいと考えていましたが、リーチ数や記憶定着率、好感度などは事後の調査によって把握できるものの、CMが本来のターゲットに届いているのか、また、露出が実際の購買につながっているのかということまでは、測定は難しいのが実情でした。

そこで藤元氏は、CCCマーケティングのデータとSASを組み合わせて、再度TVCMを展開することを決めました。

「TVCMの施策の効果検証について、どうしても不明瞭な部分が残ることは当たり前だと思っていました。しかし、購買データや志向性でターゲティングしたうえでSASでバイイングし、さらにCM放送後に購買データを分析すれば、TVCMであってもSNS広告やweb広告などのデジタル施策と同じような効果検証ができるのではないかと思ったのです。これは、いままでのTVCMにはない発想ですよね。また、幅広いリーチの獲得にはスポットCMが効率的ですが、優良顧客となりうるターゲットへのリーチを目的とした場合にも、スポットCMでいいのか。『つぶ野菜』を購入してくれそうな方が多く見ている枠でCMを打ったら、効果に差は出るのか。1回テストしてみる価値があると考えました」

そこで藤元氏は、テスト実施に向けてCCCマーケティングに以下の2点を依頼しました。

・「つぶ野菜」の購入者を分析し、優良顧客となりうるターゲットを抽出する
・ターゲットへのリーチという観点で見た、先に流したスポットCMの効果測定

そして約1ヶ月後、藤元氏に結果が報告されましたが、「自分たちの当初の想定とは、かなり差異があり驚きました」と、振り返ります。
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「『つぶ野菜』の優良顧客であるリピーターは、自分たちが考えていたターゲットとは合致していませんでした。“買ってほしい人”と“実際に買っている人”の乖離が明らかになり、デモグラ属性だけでなく嗜好性や価値観まで深堀することの重要性を再認識しました。また、今回の分析で明らかになったターゲットに対して、SASでバイイングをすれば従来のスポットCMに比べリーチを効率化できるのか、非常に興味がありました」

当時実は、SASと似たCM出稿の提案についてCCCマーケティング以外からも提案があったとのこと。では、その中からCCCマーケティングを選んだ理由はどこにあるのでしょうか。

「それは2つあります。まず、CCCマーケティングの提案は、ターゲットが明確かつ効率的にリーチできると思われたこと。そして何より、購買者データも持っているので、CM視聴後のアクションを追えることです。CMが実際の商品購入につながっているのか分析できるというのは、画期的です」(藤元氏)

ところで、SASのような新しい施策を進めるには、社内のコンセンサスを得ることが重要なポイントになります。そのときの社内の反応について、藤元氏はこう明かします。

「基本的にはポジティブに受け止められていたと思います。今までははっきり見えなかったターゲットについて、デモグラデータにとどまらず志向性まで可視化でき、さらに効率的なアプローチとそれによる行動の変化を追跡することまでできる。今までのTVCMではできないと思っていたことが可能になるという点で、関心を持たれていると感じました」

今までやりたくてもできなかったことを、CCCマーケティングと実現したい

今回はKPIを「ターゲットへのリーチ効率」に置き、1週間、「つぶ野菜」のCMを展開したところ、想像以上の成果を得られたと藤元氏は言います。

「実施報告を聞き、いい意味で『その数字、間違っていませんか?』と聞き返したくらいです(笑)。従来のスポット購入と比べて、ターゲットへのリーチ効率という点では非常に満足のいく結果となりました

購買・行動データ×SASの活用でターゲットへのリーチ効率が改善できたことを高く評価する藤元氏ですが、「だからといって、SASだけを実施していくのではなく、他施策との掛け合わせで効果を最大化していくことが重要」と言います。

「SASはCM購入の選択肢のひとつです。ライトユーザーを獲得するのであれば、幅広い方々にアプローチできる、スポットCMが有効です。一方、ある程度しぼられたターゲット層へのアプローチを考えるのであれば、SASが向いている。このように両者は、目的が違うのです。商品の特性やターゲットに合わせてスポットCMとSASのバランスを変え、自社のパイをどんどん大きくしていくのが、一番賢い利用方法だと思います」

そして藤元氏は、これからもCCCマーケティングと取り組みを進めていきたいと意欲を見せました。
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「SASによって、ターゲットに効率よくアプローチできることは今回のテストで検証できました。今後は、その結果をどこにつなげるのかというところまで、シナリオを書いて実践できればいいと思います。見込み客を増やすのか、実際の売上向上につなげるのか。そこまで追いかけていきたいですね。あと、CCCマーケティングさんが持っているほかのアセットも活用して、どのタイミングでクーポンを発行すると顧客からいい反応が返ってくるのか、などという施策も試してみたい。多くのBtoBtoC企業が、今までやりたくてもできなかったことを、CCCマーケティングさんと実現していきたいと思います」
※企業名・役職・商品については2022年2月の取材当時のものです。

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