宮崎県(以下、同県)は神話の時代から“ひなた”と称された土地でした。その由来から「日本のひなた宮崎県」のキャッチコピーで、人柄の温かさや風土、それに根差した豊かな農産物やおもてなしの心、住みやすい環境などの魅力を発信しています。
今回はそんな同県の物産品の魅力を伝えるために行った、広島T-SITEを活用したアンテナショップ施策と購買者分析の事例をご紹介します。
参考:宮崎県公式観光サイト「みやざき観光ナビ」
同県では新型コロナウイルスの影響による物産事業の落ち込みが課題でした。特に物産展などが中止になることが多かったため、コロナが落ち着いてきた段階では物産振興のためにアンテナショップに力を入れていたとのことです。
そんななかCCCMKホールディングスにご相談をいただき、お話を詳しく伺っていくと今後アンテナショップを効率的に運営していきたいという方針がありました。
そこで、情報感度が高い方が来店される蔦屋書店やT-SITEでのアンテナショップのポップアップ出店をご提案。また、宮崎県産品のPRだけでなく今後のアンテナショップの出店戦略や仕入れの効率化にもつながると考え、アンテナショップでの購買者分析によるペルソナ作成もご提案いたしました。
施策は以下のようなアンテナショップ、情報発信、購買者分析の3つを行いました。
アンテナショップは「楽しく・丁寧な暮らし」を大きなテーマとしているCCCグループの商業施設「広島T-SITE 」で行いました。まだ同県のアンテナショップが設置されていない都道府県、かつ同県にご興味を持たれた方が比較的来訪しやすいエリアという点で決まり、約3か月間、3回にわけて実施しました。
第1弾は「宮崎の食卓」、第2弾は「宮崎のつくり手」にフォーカスをしたテーマで店内に特設コーナーを設営。
テーマをあしらったポスターの制作から同県関連書籍の選定、商品別のコメントPOPの設置まで一気通貫で伴走し、同県の特産品を展示しました。
▲第1弾・第2弾の展示の様子
第3弾は規模を拡大し、約50㎡の広いスペースであるGallery roomにて38社189種の特産品を販売するアンテナショップを実施。
同県のイメージカラーであるオレンジ色ののれんを天井からつるし、壁面にはモニターでPR動画再生・ポスター展示など、空間全体で同県の魅力が伝わるような装飾をしました。
さらに同県のご当地キャラクター「むぅちゃん」来店の1dayイベントも実施。来店されたお客さまと触れ合う機会をつくりました。
▲第3弾の店内の様子とむぅちゃん来店イベントの様子
もともと同県では第3弾のような規模の大きなアンテナショップのみの実施を想定していましたが、ティザー広告のように第1弾、第2弾のイベントを実施し魅力を少しずつお伝えすることで、最終的にアンテナショップの盛り上げにつながるのでは、とご提案させていただき3回のイベント実施となりました。
来店者以外にも取り組みを拡散するため弊社からプレスリリースを配信し、30媒体でニュースを掲載していただきました。
また、広島T-SITEのホームページにて計3か月以上、Instagramにて計4回にわたって取り組みを発信し、興味関心者層へ来店も促しました。
アンテナショップ終了後には、期間中に対象の同県特産品を購買した方の人物像を可視化する分析を実施。
弊社ではV会員 の購買・行動データをシングルIDで管理しているため、年齢や性別などの基本属性や、家族形態・世帯年収・趣味などのライフスタイル、ライフスタイル推計値(※)による志向性、日頃の併買商品などから顧客層の特徴を分析することができます。
このような分析の結果、「お子さまが社会人になりセカンドライフを考える品質志向の50代主婦」という購買者像が見えました。
過去の購買データとも紐づいているため、普段のお買い物で飲料はプレミアム感のあるミネラルウォーター類やトクホ・産地にこだわったお茶、お菓子は期間限定商品や素材の味が感じられるもの…などを購買していることもわかりました。
▲アンテナショップ商品購買者の人物像
※ライフスタイル推計値:V会員の性別・年齢・お住まいの地域や購買情報・サービス利用情報などをもとに、機械学習によって算出された推計値
アンテナショップ来館者の中には「知り合いから聞いて来た」という方や、期間中に同じ商品をリピート買いされる方も多くいらっしゃり、第1弾・第2弾のティザー効果もあり売上は右肩上がりでした。
同県からは、「短期間で効果的なPRができた。とても良い取組だったと感じている」と の声もいただいています。
またこれまで購買者のデータをほとんど取得していなかったため、アンテナショップのターゲット層は何となく「主婦層」という曖昧な状態でしたが、今回の分析によりデータにもとづいた解像度の高い顧客像を明確にすることができました。
同時に、購買者は国内旅行好きの特徴も強いことから、〈本物志向〉の物産振興と〈本場志向〉の観光促進を組み合わせた取り組みの可能性について、示唆も得ることができました。
最後に、同県に弊社をお選びいただいた理由をお伺いしたところ、
・魅力的なアンテナショップができる蔦屋書店やT-SITEがグループにある
・さまざまなデータがシングルIDで紐づいているため、分析に活用ができる
とのことでした。
同県からは、「魅力的な空間でポップアップを開催でき、多くの方に宮崎の物産をPRできる大変良い機会となった。 また、今回わかったアンテナショップの顧客像分析はアンテナショップの出店地域を検討するにあたりとても参考になった。引き続きさまざまなご提案をいただき、宮崎県を盛り上げていきたい。」とコメントいただきました。
弊社では蔦屋書店を活用した地方自治体のアンテナショップの実施や、データ分析による戦略立案のお手伝いなど、さまざまなご提案が可能です。
お悩みにあわせた企画のご提案をさせていただきますので、ぜひお気軽にご相談ください。
宮崎県さま、ありがとうございました!!
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