「TV視聴データ」の活用が可能にする、クライアントのニーズに応えるテレビ広告販売

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讀賣テレビ放送株式会社

東京支社営業局 東京営業センター ビジネス開発部兼営業推進部 (右)副部長 林俊明 氏、(左)帖佐祐樹 氏

テレビは、言うまでもなくマスメディアの中心的な存在であり、大きな影響力を持っています。そして、その力を裏付けるように、テレビの広告費は過去数十年に渡りマス媒体の中で常に首位の座にあります。ところが昨今、その座がインターネット広告に脅かされ始めました。実際、2018年のインターネット広告費は、1兆7,589億円で5年連続の二桁成長となり、いまや地上波テレビ広告費1兆7,848億円に迫る勢いです(株式会社電通 2019年2月28日ニュースリリース「2018年 日本の広告費」より。そのような状況にあり、近畿地方を放送対象地域とする讀賣テレビ放送株式会社(以下、読売テレビ)は、通常の視聴率を基本とした営業に加え、新たな試みとしてCCCマーケティングのTV視聴データを活用した取り組みを始めました。

効果 施策の提案から成果までを具体的な数字で出せるTV視聴データの活用でクライアントから高い評価を得る
施策 CCCマーケティングのTV視聴データを活用した取り組みを開始
目的 高度化するクライアントニーズに応えるための「新しい広告の売り方」へシフト

高度化するクライアントのニーズにどう応えるか

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テレビ広告の販売におけるデータ活用とはどのようなものなのか、施策に取り組んだ背景と今後の展望も含め、読売テレビ営業局東京営業センタービジネス開発部兼東京営業推進部 副部長の林俊明氏と、同部の帖佐祐樹氏にお話を伺いました。

林氏と帖佐氏の所属するビジネス開発部は、通常のテレビ広告販売に加え、新たな営業方法の開発をミッションとした部署ですが、ビジネス開発部が設置された経緯について、林氏は次のように話します。

「テレビ広告が広告市場において優位な立場にあった時代は、クライアントを説得するには視聴率という指標を示すだけで十分でした。ところが昨今、インターネット広告の影響のためか、広告から購買にいたるまでの効果検証が求められるなど、クライアントのニーズが高度化しています。これは、視聴率のみに頼った販売方法では解決できません。そのため、新しいテレビ広告の売り方を考える必要が出てきたのです」

インターネット広告であれば、広告効果の測定も、それに基づいてPDCAサイクルを回すことも容易です。その結果、最大限効果的に広告を投下することが可能になりますが、テレビ広告では、広告によって実現した収益を検証することは困難です。

「いまやインターネット広告費はテレビの広告費とほぼ肩を並べており、成長率を考えると、いずれテレビ広告が抜き去られる可能性は十分にあります。広告効果の検証ができるという点は、テレビの広告予算がインターネット広告への出稿にシフトしていく一因となっていると思います」と、林氏は危機感を募らせます。


データドリブンなインターネット広告が広く普及した今、テレビ広告の費用対効果も検証の対象となることは必然的な流れと言えます。
テレビがマス媒体として持っている「商品を認知させる力」はクライアントも認めたうえで、さらに、その認知が購買につながっているのかというところまでの証明を要求されるのです。

――なんとか、クライアントのニーズに応えられるテレビ広告を実現できないか。
そう考えた林氏が取り組んだのが、CCCマーケティングが保有する「TV視聴データ」の活用でした。

視聴者と購入者をひも付けるTカード番号

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CCCマーケティングのTV視聴データとは、特定のテレビ機器で収集できる、性別や年齢、居住地などの属性データとテレビ番組の視聴記録をTカード番号でひも付けたデータです。さらに、マーケティングデータとしての使用を許諾しているユーザーについては、購買データも収集することが可能です。つまり、テレビCMを見た人のうち、誰が実際に購買行動を起こしたのかというところまでわかるようになるのです。

視聴データのマーケティング利用を許諾しているユーザーは全国に約33万人おり、読売テレビでは、そのなかの関西圏のデータ約4.3万件(2020年1月末時点)を利用して施策を進めることにしました。
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最初の取り組みは、「特定の商品と相性のいい番組への広告出稿をクライアントに提案する」という方法で実施されました。具体的にどのような施策だったのか、帖佐氏はこう説明します。
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「ある朝の番組の視聴データを分析したところ、幅広く食品や日用品を購入している視聴者が多いことがわかりました。さらに分析を続けると、同時間帯の裏番組に比べ、この番組の視聴者は『カビ取り剤』の購入者が多いことが見えてきたのです」

従来の視聴率データでは、視聴者の年齢層や性別程度まではわかるものの「どのようなものを購入しているのか」というところまでは特定できません。この「視聴データ」を活用すれば、「自社商品をよく買っている視聴者がどの番組を見ているのか」がわかり、さらに放送後の購買履歴を見れば、実際の購買に結びついたか確認できるというわけです。

林氏と帖佐氏は、さっそくクライアントにこの取り組みを提案。その結果、「想定に合った成果が得られたうえ、効果検証ができるテレビ広告ということで、クライアントには大変喜んでもらうことができました」(林氏)

またこの方法は、クライアントにとって、コスト面でも有利になると、林氏は続けます。

「この番組を見ている人は、平均的な人たちよりもクライアントの商品を購入する人が30%多いとします。もし裏番組への出稿にも同じ広告コストがかかるなら、商品購入者が多い分、実質的にわれわれのほうが広告費が割安になるわけです。そういうデータを出せるというところも、この視聴データの強みです」

新たなリーチも獲得する『リーチマックス』

上記の施策を通じ、視聴データ活用の効果を確認できた林氏と帖佐氏が、サービスの幅を広げるために次に取り組んだ施策は、特定の商品のターゲット層へのリーチを最大化する『リーチマックス』でした。

「たとえば、高級車のような高額商品の場合、一般消費財とは購買行動が異なり、CMを見て購入にいたったかを追跡するのは難しい。それより、可能なかぎり多くの視聴者に広告を届ける、つまり、ターゲット層へのリーチを最大化することが課題として求められました。」(林氏)

『リーチマックス』の実施にあたっては、高所得層の視聴者が好む番組を分析し、抽出。この過程で、視聴率が高くてもターゲットとなりえない層が多い番組は除外されるので、クライアントはムダなコストをかけずに済みます。

また人間の経験やカンではなく、データから番組を抽出するので、想定外の番組が販売対象として選ばれることも少なくありません。しかし、そのような番組に広告を流すことで、想定内の視聴者へのリーチはもちろんのこと、新たなユニークなリーチの獲得も期待できます

では『リーチマックス』の成果はどうだったのか、帖佐氏は次のように話します。

「視聴率だけでは、複数の出稿によるトータルのリーチを測ることができませんが、TV視聴データを活用することで、何割の人に広告が届いたか、クライアントに明確に示すことができました。さらに、新たなリーチが顧客開拓につながった可能性もあり、クライアントからは高く評価していただきました。やはり、施策の提案から成果までを具体的な数字で出せるという点で、TV視聴データの活用ができるのは強いと思います

先進的なテレビ局として

読売テレビは、現状では営業の基本的な指針は従来からの視聴率ですが、CCCマーケティングのTV視聴データを活用した新たな施策を提案していくなかで、クライアントからの「読売テレビ」の印象が変わってきたといいます。
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「クライアントから『テレビでこんなことができるんですね!』といった反応をいただくことが多くなりました。われわれの番組を見てくれている視聴者数は、母数としては非常に大きいものですが、実際に広告を打った際の効果は判然としません。極端な言い方をすれば『視聴率の高い番組に広告を打ったから反応も大きいだろう』というイメージです。ところが、TV視聴データを使えば、インターネット広告のように成果を数値で示せます。『読売テレビは新しい取り組みを進めている、先進的なテレビ局だ』という評価をいただけるようになりました」(林氏)。

今後のデータ活用について、帖佐氏は、

「Tカードは、誰もが持っていて認知も高く、購買データはもっといろいろな場面で活用できるものだと思います。これからはテレビ広告にとどまらず、番組や局で実施するリアルイベントのような場でもデータを連動させ、トータルな施策を提案してみたいですね。手前味噌ですが、テレビ広告には、まだ大きな力があると思っています。データ活用で、その精度を高めていきたいと考えています」と、力強く語りました。
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