【生活者の声を読み解くシリーズ】スキル・趣味・教養などの学びの最前線(後編)
こんにちは、CCCマーケティングの営業担当です。
今回は生活者の声を読み解くシリーズ「スキル・趣味・教養などの学びの最前線」の後編をご紹介します。コロナ禍におけるスキル・趣味・教養など人々の「学びの意識」は大きく変化しています。
後編では、前編で見えてきたことを振り返り、ソーシャルリスニングツールの一つであるBlabo!を用いて生活者のリアルな “これから学びたいこと”を読み解きます。
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前編の振り返り
まずは前編の振り返りからです。
上記は、2021年1月~6月の書籍の伸長傾向を書籍ジャンルで分析したものです。上記以外も含めた生活者の意識調査、書籍・雑誌の購買データを読み解くと、さまざまなジャンルの学びを選択していることがわかりました。
大きく影響しているのは、ライフステージやオケージョン(特別な行事や儀式)などです。基礎的なものから、より嗜好性が強い教養、より実践的なスキルに関するジャンルが伸長傾向になっています。
これは、コロナ禍による影響といえます。その心理的な要因などを知ることで、これから学ぶべきスキル・趣味・教養を考えるヒントになるのではないでしょうか。後編では、生活者のリアルな"これから学びたいこと"を聞いて、コロナ禍の学びの最前線についてより深掘りしていきます。
※表示端末によって画像が見えづらい場合がございます。詳細は資料をダウンロードの上ご確認ください。
「Blabo!」で生活者のリアルな“これから学びたいこと”を探る
生活者のリアルを知るため活用したのが、共創コミュニティサイト「Blabo!(ブラボ)」に投稿されたユーザーボイスです。ユーザーボイスから、生活者がどのような「息抜きの方法を実践しているか」「どのように過ごしているか」が見えてきました。
息抜きの方法としてどのような要素を大切にしているのか、そのヒントを読み取ります。
「Blabo!」のサービス概要
Blabo!は、生活者の本音からインサイトを導き出すためのコミュニケーションプラットフォームです。
お題として企業が知りたい内容を掲載し、生活者に回答してもらうことによって生活者の本音を集めることができます。まさに、オンラインで行う企画会議のように生活者の声が数多く寄せられています。
自由にオープンな形で意見交換ができるため、生活者の本音を抽出するのに役立ちます。
これまでに、Blabo!で得られた生活者の本音(ユーザーインサイト)から実際に商品開発やサービス開発を行った実績もあります。
Blabo!で多くの本音が集まる理由としては「問いの設計」が挙げられます。
ユーザーが自分のこととして考えてみたくなるような身近な問いの設計を行うことにより、自然で、それでいてユーザーが心の底で考えている本音を集めることが可能です。
そのBlabo!で、学びに関する声をシェアしてもらい、コロナ禍で変化するリアルな “これから学びたいこと”を読み解くために活用しました。
関連記事:生活者の本音を導き出すアプローチ方法とは?共創プラットフォーム「Blabo!」の活用事例もご紹介
「Blabo!」でシェアしてもらった生活者の“声”
Blabo!では、以下のテーマで生活者のみなさまの“声”をシェアしてもらいました。
お題:「先行きが見えにくいと言われる今、これからの仕事や心豊かな将来のために学びたいのはどんなこと?」
AI技術の進化によって多くの人の仕事が失われる未来が予想されていると耳にしたことがある方もいるでしょう。そのため、これからのビジネスシーンではAIには対応できないようなコミュニケーションスキルが求められます。コミュニケーションスキルや臨機応変な問題解決能力など、今後はこれらを深く学んでいきたいと考えている方もいるはずです。
また、不安定な時代をポジティブに過ごすため、楽しみややりがいなどを重視している方もいるのではないでしょうか。心身を豊かに保つ”遊び”の要素も重要です。
自分磨きやおうち時間を充実させるための家事テクやセンスアップなど、ちょっとした時間を使って始められることもたくさんありそうです。
更に、最近はコロナウイルスの流行や台風・地震といった予想が困難な災害に直面することもありました。このことから、オンラインでも対応できるビジネススキルの習得、万が一に備えるための予防医学について学びたい方もいるでしょう。
そんな中、ユーザーが仕事や生活の中で感じている「学び」への意欲・願望をシェアしてもらいました。上記の「お題」に対して寄せられた生活者の “声”を読み解きます。
不確実な時代に求められる学びとは
200人以上のユーザーから、これから学びたいことを教えて頂きました。教えてもらった学びたいことのタイトルを、出現頻度順のワードクラウド※で可視化したものが以下です。
この中から「スキル」「学ぶ」「知る」など特徴のない一般ワードを除外したところ、以下のワードの出現率が高いことがわかりました。
注目したいポイントとしては、「お金」「心」に関する声を多くいただいた点です。
コロナ禍で将来に不安を感じている方は多いと思います。コロナの影響で職を失った、仕事に悪影響が出たといった方は少なくありません。お金に関する不安や悩みを抱えている方も多いです。また、技術の進化によりAIに職を奪われるかもしれないといった危機意識も高まっています。
そんな今だからこそ、将来へのお金と心の安定を保つための学びを必要としている方が多いと予想できます。次点に多い「健康」「投資」「技術」「能力」は「お金」「心」に結び付きが強いワードといえそうです。
年代によって違う学びに対する声
年代(ライフステージ)によっても学びに対する声に違いがあることがわかりました。200人以上のユーザーの学びたいことについて年代ごとに特徴があるのか見ていきます。
まず、20~40代で高出現かつ特徴的なワードを赤枠で可視化したものが以下です。
人生100年時代と考えると、20~40代はまだ折り返し地点にたどり着いていません。多く出現していたワードは「スキル」「お金」「投資」「自給自足」「オンライン」「動画」などでした。
有益なスキル獲得に関することや、将来的な生活を支えていくためのお金・投資、自分で発信を想起するワードといえそうです。
続いて、50代以降の高出現かつ特徴的なワードは以下です。
折り返し地点を過ぎている50代以降では、それぞれの課題感が多様に見られました。また、20~40代ほど明確に出現が多いワードが少ないのが特徴です。その中でもやや多出現なワードとして「コミュニケーション」「情報」「健康」「資産運用」が見られました。
これらは変化対応に必要なコミュニケーション力・能力・情報、将来を見越した健康維持対策を想起させるようなワードと推測できます。
生活者のリアルな“これから学びたいこと”
ここまで読み解いた結果から生活者のリアルな“これから学びたいこと”を整理してみます。
学びの動機や背景としては、AIでは代替できないようなスキル、不確実な時代を生き抜くためのスキルを習得したい気持ちが強いようです。その中でも楽しむための学びや、変化に対応するためのスキル、自分や家族を守るためのスキルなどに分類できます。
考えられるジャンルやコンテンツは実に多様です。趣味を楽しむためのものや快を求めるためのもののほか、学びやライフプラン、危機管理など、様々なものがあります。年代によっても学びたいことには大きな違いがあることがわかりました。
データから見えてきた学びの最前線
今回、前後編にわたってスキル・趣味・教養などの学びの最前線をご紹介しました。定量・定性データから読み解いた学びの最前線のキーワードとして、以下のようなものが挙げられます。
◆問われるのは多様な中からバランスよく「選択し選ぶ力」
◆そのためには多様な意見を受容できる心持ち、コミュニケーション力
コロナの危機に直面していることもあってか、ユーザーからは終活などのワードも散見されました。 しかし、ネガティブワードなだけでなく、おそれがあるから対策が必要という文脈が大半を占めています。
そのため、「楽しみたい」「心が豊かに」といった意見も多くあがりました。学びの今に注目してマーケティングについて考えたい方は、このあたりを意識してみてはいかがでしょうか。
また、多くのテレビ、マスコミでコロナに関する様々な情報が流れています。情報をどのようにとらえるかについても考え方は多彩です。わかりやすい正解がないことから不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
学びについても同様で、何が必要か、何をすべきか自分で判断しなくてはならないと感じている方も多いはずです。
これからの学びに関する調査分析を経て「○○を学べばいいよね!」と、簡単に考えられるものではないと感じました。YouTubeなどデジタルコンテンツのほか、習い事、リアル書店、人との出会い…多様な接点ごとの特性があります。それらを知り、学ぶべきことを多角度で判断して選択する人が増えてきそうです。
「自分にとっての正しい情報収集力」と「学びを楽しめるしなやかな心」を学ぶことが学びの最前線といえるのではないでしょうか。
なお、より詳細な分析データについて、ダウンロードできる資料をご用意しました。
ぜひご利用ください。
コロナ禍などによる変化を受け、生活者のリアルな本音が読み取りにくくなったと感じているマーケターのみなさまも多いのではないでしょうか。しかし、効果的なマーケティングを行うためには、生活者の本音に寄り添う形が求められます。そういった状況の中、分析・調査した結果を事業に反映させるのが難しいと感じている方も多いはずです。
CCCマーケティングでは“生活者の声を届けるパートナー”のサービスの提供を行っております。
“生活者の声を伝えるパートナー“では、データで読み解いた生活者の声をメディアを通じて無料配信しています。さらに弊社パートナーによるレポート・ウェビナーも低額で開催しています。
これは、約7,000万のシングルIDによる多様なデータや分析ツールがあるからこそ分かる生活者の声をお届けするサービスでもあります。データで定量的に生活者の声を知り、対応していきたいと考えているマーケターのみなさまは、ぜひご相談ください。
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