学生から新社会人へ。購入するものはどう変わる?

学生から新社会人へ。購入するものはどう変わる?

こんにちは、CCCマーケティングの営業担当です。

学生から社会人に変わると、購入するものは変化するのでしょうか?

今回は同じ対象者の大学4年生(2017年度)と、社会人1年目(2018年度)の購買データについて、「食品」「日用品」「雑誌」「書籍」の4つのカテゴリーでの変化を、男女別に集計してみました。

たった1年の違い。しかしデータからはその1年で、置かれた環境や生活が大きく変わっていることがわかります。

目次[非表示]

  1. 1.「食品」一人暮らしへの変化で、体調に気を遣うように
  2. 2.「日用品」社会人にふさわしい身だしなみや、ワンランク上の美容への興味
  3. 3.「雑誌」休日を充実させたい志向。女性はファッションにも変化が
  4. 4.「書籍」“デキる”ビジネスパーソンになるために

「食品」一人暮らしへの変化で、体調に気を遣うように

「食品」一人暮らしへの変化で、体調に気を遣うように

食品では、男性・女性ともに和洋の惣菜の購買がアップ。就職のタイミングで一人暮らしを始めた、という方も多いのではないでしょうか。生活が変わったことにともない、健康意識にも変化が生じていることがわかります。

男性では、カップ麺やスナック菓子炭酸飲料の購買がダウンし、サラダや健康食品野菜ジュースがアップしています。

女性でも、サラダや健康食品ヨーグルトの購買がアップしている一方で、チョコレート菓子やスナック菓子の購買はダウンしています。

実家でバランスのとれた食事が用意されていれば、自分では小腹がすいたときにおやつを購入すれば足りますよね。しかし、一人暮らしでは、自分で食事と健康の管理をしなければならず、体に気を遣ったメニューを選ぶようになったと考えられます。

一方で、コーヒードリンクや栄養ドリンクの購買の伸びは、新生活の忙しさを物語ってもいます。男性で、たばこやスピリッツ(酒類)の購買が上がっているのも、そうした忙しさのストレスを解消したいという背景があるのかもしれません。

「日用品」社会人にふさわしい身だしなみや、ワンランク上の美容への興味

「日用品」社会人にふさわしい身だしなみや、ワンランク上の美容への興味

日用品では、男性・女性ともに、身だしなみをケアするグッズの購買が伸びています。

男性ではカミソリや制汗剤といった基本的な身だしなみ用品のほか、洗口液や化粧水の購買がアップ。ビジネスシーンで人と接する機会が増え、自分の印象をアップさせることへの興味が高まっている様子がうかがえます。

女性でも、化粧水ファンデーションといった化粧品の購買が伸びています。社会人になったタイミングで、少し高価な化粧品を購入したという方も多いのかもしれません。
パックや美容液も購買を伸ばしている一方、マスカラやアイライナーは購買がダウン。「盛る」メイクは卒業して、社会人にふさわしいシンプルなメイクへシフトチェンジするとともに、スキンケアへの興味が高まっているようです。自分に投資する余裕ができたことで、ワンランク上のアイテムを買うようになった可能性も考えられますね。

嗜好品としては伸びの大きかったたばこですが、喫煙用具の購買は大幅にダウンと、反対の結果が出ています。社会人生活では、もともと喫煙習慣のあった方の本数が増える一方、新しく喫煙をはじめる方は減っているのかもしれません。

男性では、ドリンク剤やかぜ薬、鼻炎用薬の購買も伸びています。環境の変化によって、体調をくずしやすくなることに加え、少しの体調不良では休みづらいという忙しさがうかがわれます。

「雑誌」休日を充実させたい志向。女性はファッションにも変化が

「雑誌」休日を充実させたい志向。女性はファッションにも変化が

男性・女性ともに、音楽や映画をはじめとした趣味系の雑誌の金額がアップしています。平日に仕事が忙しいぶん、休日は思いっきり趣味を楽しみたいですよね。趣味にお金をかける余裕ができ、こだわりを持つようになっているとも考えられます。

意外にも、男性・女性ともに国内・海外旅行誌の購買はダウンしています。社会人になって、旅行関係の雑誌を買う機会が減ったというより、前年には、卒業旅行のために買っていた方が多かったのかもしれません。

女性向けファッション誌の中では、カジュアル・ストリート系の雑誌の購買がダウンし、コンサバティブな雑誌が好まれる傾向がみられます。社会人になってプライベートな服を着る機会が少なくなり、会社にあわせたファッションへとシフトしていることがわかります。

また、男性では株・投資、女性では語学テキストの購買が伸びていることも注目されます。新生活が始まったばかりとはいえ、今後のキャリアを見据えて準備しておきたいと考える方が少なくないようです。

「書籍」“デキる”ビジネスパーソンになるために

書籍では、男性・女性ともに、自己啓発系ビジネス本の購買が伸び、セルフマネジメントやビジネスコミュニケーションに関する書籍も多く買われています。大学生時代とは異なったコミュニケーションスキルや自己管理が必要となったこと、社会人としての仕事術を身につけていこうとする姿勢がうかがわれます。

TOEICや公務員・国家試験向けのテキストなど、就活対策になる資格書籍の購買がダウンしているのは、就活が終わったことからうなずけますね。そんな中でも男性の資格書籍の金額が伸びているのは、早くも職場で資格を取るようにすすめられているのかもしれません。

女性では、語学テキスト雑誌の金額が伸びていた一方、TOEIC対策の書籍はダウンしているのが興味深いところです。資格としての語学から実用的な語学へと、興味がシフトしていることが推測されます。

娯楽系の書籍では、男性でライトノベルを含む国内小説の購買がダウン。忙しくなったことで読む時間がなくなったり、より実用的な分野に興味が移ったりしていることが推測されます。

女性でもタレント本やミュージシャンの写真集、キャラクター小説の購買がダウンしています。社会人デビューのタイミングで、それまでのサブカルチャー・オタク文化を卒業する方も多いのかもしれません。

大学を卒業し、社会人になると、生活環境が大きく変わるとともに、自分に求められるものも変わってきます。その変化が、購入するものにも反映されています。

健康や身だしなみへの気の遣い方、趣味や資格に対する意識の変化から、新社会人の方々が、「これまでとは違う自分」に対して、積極的に適応していこうとする姿が購買データから見えてくるようです。

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