選挙特番は新しいエンタメコンテンツ?データからわかる投票率と選挙特番の関係
初の「18歳以上選挙権」が話題であった、2016年7月10日の参議院選挙。最近の選挙特番は各局ともに力をいれて見ごたえのあるものが増えてきました。
そこで、今回は、「投票率」と「選挙特番」の視聴状況を分析してみることで、国民・視聴者の本当の関心が見えてこないかを、分析してみました。
分析対象期間は、前回同規模の選挙(衆議院選)実施日である2014年12月14日(日)と、今回の参議院選挙実施日である2016年7月10日(日)の2日間。特番開始から1時間(20時~21時)の関東地域における視聴時間を分析。なお、放送局・番組は、NHK Eテレを除く地上波6局。
今回の分析は「特番開始1時間における視聴時間」を放送局と世帯別に算出してみました。さて、どんな結果となったのでしょうか。チェックしてみましょう!
選挙特番・番組開始時のテレビ局別視聴率!
世帯別の各局開始1時間の平均視聴時間をみると、結果は一目瞭然。
2014年12月同様、テレビ東京『池上彰の選挙スペシャル』が一番人気。するどい角度から政治に切り込み、視聴者にわかりやすく解説してくれる池上彰さんのコメント力に期待した人が多かったのでしょう。人々は「選挙結果(速報)を知りたい」だけでなく、この結果を経て「今後はどう変化していくのか」にも強い関心を持っており、そういった複雑な話をわかりやすく解説してくれる『池上彰の選挙スペシャル』がさまざまな年齢層に支持されたと推測できます。
一方、この番組にくさびを打ったのが、日テレ『ZERO×選挙』だ。「既婚・子供と同居」世帯においては、テレビ東京に肉薄する勢いであった。櫻井 翔さんなど、家族目線で魅力のあるキャスティングも影響しているのかもしれません。
選挙特番視聴時間が投票率を左右する?
次に、「投票率」と「選挙特番視聴時間」を、前回選挙(2014年の第47回衆院選)と比較して調べてみました。
今回の投票率は2.04ポイント増加しましたが、選挙特番の視聴時間は2.78%減少。
特に、「既婚・子供と同居」世帯は7.16ポイントと大幅に減少。
選挙前の土曜日が雨で、日曜日の天気が良かったことも影響しているのか、はたまた、今回の選挙争点は子供のいる世帯にとって関心が低かったのかもしれません。また、「18歳」選挙でもあった今回は、その影響からか「未婚・一人暮らし」の下げ幅が、最も低く2.16%減でした。
投票率と選挙特番の関係を分析してみると、投票行動自体で「政治への関心」と見ることもできるが、さらに、選挙特番を世帯状態などの切り口をつぶさにみることで、もっといろいろなことがわかってくる気がします。
東京圏では、都知事選もあるので、今回の参議院選挙の投票率や選挙特番をもっと分析すると、今後の政治への関心を高める術が見つかるかもしれません。
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