【生活者の声を読み解くシリーズ】親世代・子世代が感じる世代間ギャップとは?
こんにちは、CCCMKホールディングスの永田です。
デジタルテクノロジーの急激な発展もあり、現在は仕事やプライベートなどさまざまな局面で「世代間による違いやギャップ」を感じる場面はありませんか?
違いがある中でもそれぞれの強みを活かし、より豊かな生活を形成していくためには、世代間のコミュニケーションがより活発になることが重要になってきています。
そこで今回は、「世代間のギャップ」について生活者の意識調査やリアルな声から読み解いた結果をご紹介します。
詳しい調査結果は下記より無料でご覧いただけますので、ぜひダウンロードください!
■こんな方におすすめ
・世代間ギャップを捉えてマーケティングに活かしたい
・各世代間のコミュニケーションに対する価値観を知りたい
・生活者の実際の声から商品開発を行ってみたい
目次[非表示]
調査からわかる20代・50代のコミュニケーションへの意識
CCCMKホールディングスが2020年に設立したCCCマーケティング総合研究所では社会や生活様式の変化、生活者の行動や意識の変化、世代や地域の特性把握、産業動向レポートの発信など“生活者に一番近い存在のシンクタンク”としての取り組みを行っています。
今回は、20代と50代のコミュニケーションに関する生活者意識調査をもとに世代間ギャップを読み解きます。
ギャップを埋めるのは親子の会話?
※集計上、繰り上げた計算になっている個所がございます
※表示端末によって画像が見えづらい場合がございます。詳細は資料をダウンロードの上ご確認ください。
親・子供と同居している方を対象に、コミュニケーションについて尋ねました。すると、20代で「親との会話は楽しい」との質問にあてはまると答えたのは67.2%、親世代で「子供との会話は楽しい」にあてはまると答えたのは74.6%です。
過半数がお互いとの会話を楽しんでいることが見えてきました。
流行は子から親に伝わる傾向
流行や今の話題に関する情報については、親が子供から話を聞くことが多い状況であることがわかりました。
「親(子供)から流行や話題に関する情報を教えられることがよくある」に該当する割合を見てみると、20代であてはまると答えたのは39.1%、50代だと68.9%です。
また、「親(子供)に流行や話題に関する情報を聞くことがよくある」に対しては、あてはまると答えた20代が37.8%、50代が64.3%でした。
20代は親世代との会話が好きな人が多い
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20代は親世代の話題に興味があるだけでなく、親世代との会話が好きな人が多いことが見えてきました。
まず20代で「自分の親くらいの世代の話題に関心があるほうだ」との質問にあてはまると答えた20代は24.0~43.8%です。また「自分の親くらいの世代の人と会話するのは好きなほうだ」との質問に対して、31.8~54.2%があてはまると答えました。
一方、50代に同様の質問をした結果「20代くらいの人の話題に関心があるほうだ」との質問にあてはまると答えたのは15.9~36.6%です。「20代くらいの人と会話するのは好きなほうだ」との質問にあてはまると答えたのは、19.6~42.7%でした。
それぞれ比較してみると、20代の方が親世代に対し関心度が高く、なおかつ会話をすることが好きであることがわかります。
子供世代と親世代では、どちらかといえば子供が親と会話することに壁を感じているのではないかと考えていた方もいるはずです。しかし、実際の調査結果では、20代の積極的に親世代との会話を楽しもうと考えている姿が見えてきました。
生活者の声から世代間ギャップを探る
生活者意識調査の結果では、世代の壁は上の年代が「作ってしまっている」ことを思わせる結果が見えてきました。
続いては、生活者の本音からインサイトを引き出すための共創プラットフォーム「Blabo!(ブラボ)」で生活者が世代間ギャップをどのように感じているのか質問してみました。
詳しい調査結果は下記の資料からご覧いただけますので、ぜひお気軽にダウンロードください!
実は面白いかも?世代間ギャップ!「これかー!」と感じたシーンとその時の気持ちをみんなで語り合おう!
生活者の声全体からわかること
まず、大きな視点でユーザーのみなさんの意見を読み解くため、投稿されたリアルな声をワードクラウド化してみました。
画像のうち、大きな文字で表示されているのは出現頻度数が多いワードであり、大きいものほど出現頻度数が多いです。どの文中にも出現している一般的な単語はスコアを低くし、出現の多い特徴的なワードを表しました。
それぞれのワードを年上に対してのものと年下に対してのものとに振り分けてみた結果、「若い・若い人・若い世代」や「スマホ・やばい・ネット」など若い世代に感じるものが多数との結果になりました。どの世代においても「自分より年下の世代」に対してギャップを感じているようです。
また、テクノロジーの進化により誕生したスマホ・ネット・LINEなどデジタルツール出現度の高まりもあってか、「コミュニケーションツール」でギャップを感じていることが分かりました。
20・30代が感じる世代間ギャップ
20・30代が感じる世代間ギャップの声を確認してみると、約半数が自分より年下の世代に関することでした。その中でも、新しい価値観やマインドに関すること、新しいコミュニケーションや情報収集ツールに関することの2つの項目に分けられます。
高出現のワードは「知る」「感じる」「思う」でした。そのため、新しい価値観・マインドを感じる場合が多いと想像できます。
その他には、「ペコペコしない」「結婚観」「保活パパ」「コンプラ意識」「若手は行動に理由、根拠、エビデンスが必要」などの本音も挙げられました。
続いて、新しいコミュニケーションや情報収集ツールについてのワードクラウドをみてみましょう。
「スマホ」「電子辞書」「タブレット」などツールに関するワードが特徴的です。
投稿では「TVを買わない」「スマホ、SNS(での用語)」「ネットですぐ調べる、検索方法」「タブレットを使う5歳児」「リアルコミュニケーション不足」「顔文字」などの本音も挙げられました。
40・50代が感じる世代間ギャップ
40・50代を見ていきます。
「若者」「新入社員」などのワードが多く、20・30代と比べると、より強く年下の世代にギャップを感じるようです。特徴的な部分として、言い回し・行動の違いなど表層的な現象の違いに関する言及の多さが挙げられます。
20・30代では価値観やコミュニケーションツールの違いが見られましたが、40・50代では社会の変化が大きく年下の世代の「行動の違い」に反応してしまうようです。
上記は行動の違いに関するワードです。20・30代と比較してみると、出現頻度の高いワードが分散していることから、表面的な行動の違いは多岐にわたっていることがわかります。
投稿では「メニューが横文字で読めない」「恋愛プロセス」「物を大事にしない」「口癖」「流行のアーティスト」「車をもたない」「LINEの長さ」「ランキングに惑わされない」「ズバッという」「小さい子がTVにスワイプ」などの行動の違いに関する本音も挙げられました。
60・70代が感じる世代間ギャップ
最後に60・70代についてです。
どの年代でも自分よりも年下の世代に対しギャップを感じる声が多いです。しかし、60・70代は40・50代と比較すると寛容なスタンスを取るアイデアが特徴的でした。
コミュニケーションツールなど時代の変化を感じるポイントは同様です。ですが、上記を確認してみると「時代」というワードの頻度が高いことがわかります。ここからは、子育てを経て、ギャップは生じるものだ、と時代の変化を感じていることが推測できます。
投稿では、「○○派に宗旨替え」「うらやましい感じ」「社会の変化だと思う」「そんな時代なのかな」「過去の遺物かな」「お互い楽しめるかな」と、ギャップに感じる部分を否定するのではなく、寛容を表す言葉で締められた本音が特徴的です。
ギャップへのスタンスは個人で異なる
今回ご覧いただいたデータは「Blabo!」のものです。
※「Blabo!」とは、企業が知りたい内容をお題として掲載して回答してもらうことにより、生活者の本音やアイデアを集められるサービスです。
生活者のリアルな声をデータとして、世代間ギャップを読み解きました。その結果、いくつか特徴的なキーワードが見えてきたので、ご紹介します。
・世代間ギャップは若い世代に対して感じる傾向が強く、上の世代が壁を作りがち
・コミュニケーション・情報収集ツールの違いにギャップを感じる人が多い
・価値観の違いやギャップに対するスタンスは人それぞれ
今回「世代間の対立・闘争」ではなく、いろいろな世代の方と共存していくためのヒントを得るために「世代間ギャップ」に関する本音を集めました。ですが、急速なテクノロジーの変化も関係しているのか「理解ができない・不満を感じる」などの声も寄せられています。
価値観やスタンスは世代で一定の特徴があるものですが、多様な立場の生活者が本音で語り合ったことで、ギャップに対するスタンスは人それぞれであることがわかりました。
これからは各々が異なったスタンスをとる環境下で違いを受け入れ、お互いの強みや面白さを楽しめる、建設的なコミュニケーション力が問われていくのではないでしょうか。
なお、今回の分析について、より詳細な内容を知りたい方は、ぜひ資料をダウンロードください。
■こんな方におすすめ
・世代間ギャップを捉えてマーケティングに活かしたい
・各世代間のコミュニケーションに対する価値観を知りたい
・生活者の実際の声から商品開発を行ってみたい
生活者のリアルな声をマーケティングに取り入れる
CCCMKホールディングスでは“生活者の声を届けるパートナー”のサービスの提供を行っております。
“生活者の声を伝えるパートナー“では、データで読み解いた生活者の声をメディアを通じて無料配信しています。さらに弊社パートナーによるレポート・ウェビナーも低額で開催しています。
これは、約1.3億人(有効ID数)のT会員の購買・行動データや分析ツールがあるからこそ分かる生活者の声をお届けするサービスでもあります。データで定量的に生活者の声を知り、対応していきたいと考えているマーケターのみなさまは、ぜひご相談ください。
※CCCマーケティングでは、セキュリティ上厳重に管理された環境のもと、個人を特定できない状態でマーケティング分析を行っております。
※本コラムに記載された商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
※ユーザーローカル テキストマイニングツール(https://textmining.userlocal.jp/)による分析
永田桜子|マーケティングユニット
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