【生活者の声を読み解くシリーズ】ファンインサイトを深掘り!コミュニティサイトでハードルを感じることとは?
こんにちは、CCCMKホールディングスの永田です。
近年はデジタル化が進んでおり、ユーザーとコミュニケーションが取れるコミュニティサイトを活用する企業も増えてきました。
みなさまの中には、こういったサービスに期待しているものの、ユーザーとの関わり方やサイト運営の難しさに課題を感じているマーケターの方もいるのではないでしょうか。
今回は、前回行ったファンとのコミュニケーションについての調査を深掘りするため、コミュニティサイトに求めること、利用するための心理的・物理的なハードルについて生活者の意識調査や、生活者の声から分かることを読み解いて解説します。
■前回の調査はこちら
【生活者の声を読み解くシリーズ】キーワードは“共感”?ファンの心をつかむ体験とは?
目次[非表示]
コミュニティサイトを盛り上げるには工夫が必要
前回、ファンとのコミュニケーションのポイントを紐解くため、活用したのがオンライン会議室「Blabo!」です。「推し」についてのインサイトを知るため、生活者の声を読み解きました。
より詳細な調査内容は、下記より無料でご覧いただけますので、ぜひダウンロードしてご覧ください。
■こんな方におすすめ
・コミュニティサイトの登録者を増やすヒントを得たい
・自社サービス、商品利用者との接点としてコミュニティサイト運営を検討している
・生活者の声からサービス、商品の改善を行いたい
前回の調査の結果、見えてきたのはユーザーがファンとして心が掴まれるポイントは多様であるということです。それは対象のサービスや商品によっても異なることがわかりました。ファンとして心が掴まれるポイントをまとめたのが下図です。
「ファンの声を企業側が知ることができたら、もっといいサービスや製品をファンに届けることができるのではないか」という考えから注目を集めているのがファンと接点を持てるコミュニティサイトです。
しかし、図にもあるように、ファンが心を掴まれるポイントは多様であり、コミュニティサイトを盛り上げて運営するのは簡単なことではありません。
サイトそのもののデザインや操作性など、考えるべきポイントが多すぎて、どこから手をつけていいかわからないとの声もお聞きします。
そこで、今回さらなるファンのインサイトを探るため、企業が運営しているコミュニティサイトに求めることや、コミュニティサイトを利用するための心理的・物理的なハードルを読み解いていきます。
生活者が感じるコミュニティサイトのハードルとは?
商品やサービスの利用者がどのようなコミュニケーションを求めているのか理解し、求められているコミュニケーションをデジタル接点で実施する場合には、どのようなことがハードルになるのか知ることが重要なのではないでしょうか。
今回は、オンライン会議室である「Blabo!」を活用してコミュニティサイトのハードルをお題として、リアルな声を収集しました。
※「Blabo!」とは、CCCMホールディングスが運営している共創プラットフォームです。
企業が知りたいと考えている内容を、生活者にとって回答しやすい「お題」として掲載し、生活者はお題に回答する形で本音を寄せてくれます。
コミュニティサイトに感じるハードル
Blabo!でお題として設定したのは、以下です。
有名企業もやっているコミュニティサイト。見てはみるけど登録や投稿まではしない理由や心のハードルって?
一昔前に比べると、コミュニティサイトやコミュニティツールの数が増えました。誰もが何かしらの形でコミュニティと接点を持っているのではないかと思います。
企業とファンがつながる場としても活用されています。
一方で、誰でも気軽に利用しやすいブランドコミュニティですが、実際にサイトに登録したり、自分の声を登録したりした経験がない方も多いのではないでしょうか。
今回のお題では、何がハードルになって積極的に利用せずにいるのか、本音をシェアしてもらいました。
実際にユーザーのみなさまからはどのような声が寄せられたのか読み解き、コミュニティサイトに対する心のハードルを調査しました。
約200名に聞いた、コミュニティサイトに感じるハードル
まず、約200名からいただいたアイデアを9つの大枠に整理しました。
1位は企業側の姿勢との結果になりました。「ファンの投稿へのリアクション」や「本当に投稿を読んでくれているのか?」といった疑心がユーザーにとってのハードルにつながっているのかもしれません。
2位はサイトのユーザー体験への不満です。「ユーザーインターフェースに手間がかかる」「登録するとたくさんのDM・メールが届いてしまいそう」と不満や不安を感じている声が寄せられていました。
3位に挙がったのが、ユーザー同士のコミュニケーションです。内輪感が強いと感じられるようなコミュニティサイトだと、なかなか新規ユーザーは入っていけません。「そもそも、会話交流はしたくない」といった意見もありました。
これらの他にも、報酬や見返りといったリターンへの不満や、投稿することのハードルの高さも上位に上がっています。
以降では、声の多かったハードルについて深掘りします。
企業側の姿勢
下図は、ユーザーの声のタイトルの文章をワードクラウド化(※1)したものです。
※1)ユーザーローカル テキストマイニングツールによる分析
企業側の姿勢についてユーザーからの声を読み込むと、以下のようなキーワードがでてきました。
<見えてきたキーワード>
● 企業側の熱意や情熱が伝わらない
● 投稿へのリアクションがない
● 一方通行のように感じる
● 企業側の自己満足ではないかとの疑念
● 企業との間に壁を感じる
● 好きを搾取されていると感じる
● 更新頻度が低い
● 投稿を活用したなどフィードバックがない
● かたちだけのキャンペーンに感じる
まとめると、投稿に対してのフィードバックやリアクションがないために一方通行のコミュニケーションになっていることが読み解けます。継続的にユーザーからの投稿に対するリアクションを行うことで、「見てもらえている」「声が届いている」と感じてもらうことができれば、ユーザーの不満解消につながりそうです。
ユーザー体験に問題がある
続いて、ユーザー体験に問題があるとの声について読み解きます。
ユーザー体験に対するハードルの声を読み込むと、以下のようなキーワードが出てきました。
<見えてきたキーワード>
● とにかく面倒
● パスワード管理が面倒
● ログインが面倒
● ID管理が大変
● ワクワクしない
● 応援したくならない
● かたちだけのキャンペーン
● 企業単体のサイトに魅力を感じない
● DMやメールが頻繁にきそう
● 人流がない
● ステマ感がある
特に目立つのが「めんどくさい」との意見でさまざまな点で面倒に感じているようです。
「応援したくならない」「かたちだけのキャンペーン」「ワクワクしない」などの声もあり、サイト体験に大きな課題があるのかもしれません。
ユーザー同士のコミュニケーションへの不安・不満
企業に対してではなく、コミュニティサイト内で行われるユーザー同士の関係にハードルがある声も寄せられています。
<見えてきたキーワード>
● 深入りしたくない
● 古参の内輪ネタが苦手
● 絡んでくる人・否定する人に会いたくない
● 心無いコメント
● コミュニティの会話が合わない
● 仲間意識がない
● コミュニティの人への不安
● 他人の反応を気にするのが面倒
ユーザーは企業のコミュニティサイトを利用する場合、対象企業のユーザーという立場になるため、SNSと比較するとさまざまな心理的なハードルがあることがわかりました。
サービス提供側がユーザー同士のコミュニケーションを求める場合、上記のような声があることを配慮しなければなりません。
コミュニティサイトとSNSの違い
複数のユーザーがコミュニケーションを目的としている点では共通している、コミュニティサイトとSNS。
こうした特徴から似たものだと認識している方も多いです。
しかし実態はそうではなく、SNSは自分の好きなコンテンツを自由に発信できるのに対し、企業専用サイトは自分で投稿の価値を見出しづらいと思うユーザーもいるようです。
特にSNSの普及が広がっている現代において、コミュニティサイトでは気ままに発信ができないというネガティブな印象が強まっているのかもしれません。
コミュニティサイトのハードルについて深く考える必要がある
コミュニティサイトを利用するにあたり、ユーザーは企業に対して個人情報、時間、投稿(アイデア)を提供しています。今回見えてきたのは、企業に提供しているものに見合ったリターンや報酬がないと、ユーザーはコミュニティサイトを利用するメリットを感じにくいということです。
コミュニティサイトは、ユーザーの行為に対して企業側が感じる価値を高めることだけでなく、ユーザーが利用する価値のある場所にしていくことも重要です。
顧客ニーズに合致させるための措置としてファンコミュニティを運営しているかと思いますが、「ユーザー側にはどのように見えているのか」「それによってファンでなくなってしまうリスクも考慮できているか」といった意識が必要であることをあらためて可視化できました。
より詳細な内容については資料にまとめているので、ぜひダウンロードください。
■こんな方におすすめ
・コミュニティサイトの登録者を増やすヒントを得たい
・自社サービス、商品利用者との接点としてコミュニティサイト運営を検討している
・生活者の声からサービス、商品の改善を行いたい
また、CCCMKホールディングスでは"生活者の声を届けるパートナー"のサービスを提供しています。このサービスの中では、データで読み解いた生活者の声を、メディアを通じて無料配信しています。
マーケターのみなさまに生活者の声を低額でお届けしていますので、自社で分析や調査が行えない、または分析や調査自体はできてもそのデータを読み取って事業に反映させられないなどのお悩みのある方は、ぜひご相談ください。
これは、約1.3億人(有効ID数)のT会員の購買・行動データ、分析ツールがあるからこそ提供できるサービスとなっています。
データや消費者の声を事業活用することに悩まれているマーケターのみなさまのヒントにぜひご活用ください。
※CCCMKホールディングスでは、セキュリティ上厳重に管理された環境のもと、個人を特定できない状態でマーケティング分析を行っております。
※本コラムに記載された商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
永田桜子|マーケティングユニット
「データ」と「視点」を活かして みなさまの
「気づき」につながる発信を心掛けてまいります!
本記事を引用・転載をご希望の方は、事前にお問い合わせよりご連絡ください。