【生活者の声を読み解くシリーズ】共感マーケティングとは?ユーザーの声も紹介
こんにちは、CCCMKホールディングスの永田です。
デジタルが発展し、各種商品やサービスに求められることが大きく変化する中、その商品・サービス特性によって有効な消費者とのコミュニケーション手段も異なります。
今回は、ファンとのコミュニケーションを考えるうえで重要になるポイントについて、生活者の意識調査や、生活者の声を読み解いていきます。
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ファンとのコミュニケーションの重要性
CCCマーケティング総研は、約1.3億人(有効ID数) の生活者の消費データと生活者の声をくみ取る仕組みを用いて、生活者の意識調査を行っています。今回はUnder30を対象に生活・労働に関する価値観、消費行動・意識などについて生活意識調査を行いました。
その結果、「自分がとことん打ち込める趣味や好きなモノをもちたいと思う」「人とのつながりや交流を大切にしたい」という意向の高さが見えてきました。
昨今は、サブスク型サービスの台頭をはじめとして、各種サービスや商品の在り方も変化し、ファンとのコミュニケーション手段も多様化しています。さまざまな変化がある中、コミュニケーションにおける重要要因を知ることは、今後の商品・サービスを考えるうえでのポイントになるのではないでしょうか。
より詳細な調査内容は、下記の資料をダウンロードしてご覧ください。
商品・サービスの特性によって異なる有効なコミュニケーション
消費者とのコミュニケーション手法はさまざまありますが、サービスや商品の特性によって有効な手段は異なります。
例えば、マスに向けてブランドを想起しやすくする対応と、個人向けに特別な対応をするのでは、効果が全く異なります。
また、ユーザー側の意識の違いもあります。便利だからと自分需要で購入するのと、人との交流目的により話題性重視で購入するものは、同様のコミュニケーション接点にはなりません。
提供する商品やサービスに合わせて、適切な形で消費者とコミュニケーションをとり、アプローチしていくことが重要です。
そこで、具体的にコミュニケーションについて考える際には、ファンとして心が掴まれる体験について知ることが重要なのではないかと考えました。
シェアしてもらった生活者の声
今回のお題はこちらです。
『「あぁ、好きでよかった」。ファンであることを幸せに思う、心がつかまれる体験って?どんなことを感じたい?』
生活者にとって、どのようなファン体験ができると心に響くのか、より想像しやすいお題です。
近年はSNSの発達もあり、企業が発信する情報に自由にコメントし、その声に企業が反応するなど距離や関係性が大きく変わってきています。
オープンで双方向なコミュニケーションは魅力ではありますが、企業との関係性が変化し、特別感が薄れたように感じている方もいるかもしれません。
今回のお題では、コミュニケーションが変化した現代において、どのような体験や関係性があればさらにファンとしての”好き”が加速しそうか実際の声を寄せていただきました。
ファンとして心が掴まれる瞬間を見つけるため、以降のページでは、ユーザーのみなさまから寄せられた実際の声を読み解きます。
170名の生活者の声から見えてきたキーワード
いただいた約170名のアイデアの大枠を把握するため、ワードクラウド(※1)による読み解きを行いました。下図は、アイデアのタイトルのテキストから単語の出現回数が多いワードを抽出したものです。
※1)ユーザーローカル テキストマイニングツール による分析
続いて、タイトル&本文のテキストで出現数が多いワードが下図です。
出現頻度が高いワードの中には、特徴的なものがあります。「変わる(変わらない)」「体験」「対応」「特別」「もらえる・くれる」「ブランド」「感じる」「好き」「うれしい」といったキーワードです。
変わらない・特別な×体験・対応・ブランド×感じる・好き・うれしいという定番的なシーンが多いと予想できる結果になりました。実際にそうなのでしょうか。次項よりさらに深堀りしていきます。
共起ワードで読み解く生活者インサイト
下図は、文章中に出現する単語の出現パターンが似たものを線で結んだ共起ワードMAPです。
生活者のみなさまからのリアルなアイデアの文章中に出現する単語における共起ワードを読み解きました。その結果、ファンとして心を掴まれる体験のポイントとして、以下のものがあるようです。
● 感じること(うれしい・期待)
● 伝えたい(意見・反応など)
● 体験
● 対応
自分が共感できるといった感じること、意見や反応を伝えたい、うれしい感動的な体験、マメな対応といった点がポイントになるのではないでしょうか。
体験の程度を分類してわかること
続いて、体験の程度によって分類を行いました。寄せられた声を対分すると、以下に分類できます。
<体験の程度>
A) 特別感(のあるサービス)
B) 丁寧な対応(接客、アフターサービス)
C) 交流したい(承認、メールへの返信など)
D) 参加したい(商品開発などへの参加、意見汲み取り)
E) 共感する(自分向けの○○)
F) ブランドの魅力
G) 変わらない安心感
ユーザーの声を上記に分類した場合の出現頻度の高いワードを示したのが下図です。
自分が共感できる体験において心が掴まれることが多そうです。生活者とのコミュニケーションについて考えていく際には、共感を重視した体験に注目する必要があるのかもしれません。
「Blabo!」でファンの声を分析!心が掴まれる幸せな体験とは
「Blabo!」とは、企業が知りたい内容を「お題」として提示しWebサイトやアプリを通じて集めた生活者のリアルな声からインサイトを発掘する、コミュニケーションプラットフォームです。
今回はこのBlabo!にて、商品やサービスの利用者が欲しているコミュニケーションが何なのか知るべく、ファンとして心が掴まれる体験をお題として生活者の声を収集しました。
生活者が心を掴まれるきっかけはさまざま
今回「消費者とのコミュニケーションを考えるうえで、ファンとして心が掴まれる体験にて知ることが有効ではないか?」との仮説をもとに分析を行いました。
この仮説に対し、本調査で行った「心が掴まれる体験」についての生活者インサイトについて整理したものが下図です。
ユーザーがファンとして心を掴まれるポイントは多様なので、対象のサービスや商品によって最適解は異なることや、ファンについて議論をする際のヒントを可視化できました。
例えば、地域に根づいた食品スーパーにおける顧客とのコミュニケーションではついつい“お買い得さ”をアピールする「新聞折り込みチラシ」や「オウンドアプリ」を考えがちです。
ですが、本調査からユーザーは変わらない安心感や、人それぞれ自分に合ったサービスに心を掴まれることが見えてきました。ここから本当に共感できるポイントは何かといった議論が重要であるといえます。
どうすれば自社のファンをより多く獲得できるのか、どういったコミュニケーションを行えば良いのか考える際に参考にしてみてください。なお、今回使用した資料はダウンロードしていただけます。より詳細な内容について知りたい方は、ぜひダウンロードしてご覧ください。
また、CCCMKホールディングスでは生活者の本音を分析する“生活者の声を届けるパートナー”が、全国のスタートアップや中小企業のみなさまのマーケティング課題の解決をサポートしていくカジュアル版コンサルティングサービスを提供しています。
マーケターのみなさまに生活者の声を低額でお届けしていますので、自社で分析や調査が行えない、または分析や調査自体はできてもそのデータを読み取って事業に反映させられないなどのお悩みのある方は、ぜひご相談ください。
※CCCMKホールディングスでは、セキュリティ上厳重に管理された環境のもと、個人を特定できない状態でマーケティング分析を行っております。
※本コラムに記載された商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
参考)CCCマーケティング総研の生活者意識調査
・伝わっていますか?サブスク型サービス
・Under30意識調査レポート第2弾
永田桜子|マーケティングユニット
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