麒麟麦酒「本搾りチューハイ」は43歳、アサヒビール「贅沢搾り」は20歳でピーク!RTDの1歳刻みランキング
こんにちは、CCCMKホールディングスの永田です。
「Ready To Drink」の略称で「缶を開けてすぐに飲めるアルコール飲料」を指すRTD。
多種多様な味やアルコール度数の商品が発売されており、好みに合わせて色々な種類のRTDを購入している方も多いのではないでしょうか?
今回はRTDについて、性別や年齢によって購入する商品にどういった違いがあるのか、人気商品の1歳刻みランキングをブランドごとに見ていきます。
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今回使用するデータの概要
今回使用するデータの抽出定義は、以下です。
期間: 2021年10月1日~2022年9月30日
抽出元:多種多様なTポイント提携先の購買データ
対象者:全国・20~69歳の男女(満年齢基準日:2022年4月1日)
RTDの男女総合ランキング
まずは、男女総合の人気ランキングTOP30です。
1位は、アルコール度数が9%で飲みごたえのあるサントリー「-196℃ストロングゼロ」です。続いて2位に度数3%の低アルコールで比較的飲みやすいサントリー「ほろよい」、3位には度数4~5%ほどの麒麟麦酒「氷結」がランクインしています。
1位と2位にアルコール度数が比較的高いストロング系と低アルコールのブランドが続いており、味はもちろん、飲むタイミングや飲みごたえによって選ぶ商品が異なりそうです。
以降では、性別や年齢によって購入する商品がどのように変化していくのか、ブランドごとに1歳刻みのランキングを見ていきます。
なお、今回使用するデータは下記からダウンロードが可能です。ぜひダッシュボードを操作しながらご覧ください。
RTDの男女ランキングTOP10比較
男性、女性の人気ランキングTOP10は、以下の通りとなりました。
1位だけ比べてみても、男性は高アルコールのサントリー「-196℃ストロングゼロ」、女性は低アルコールのサントリー「ほろよい」と、大きな違いが見られます。
男性ランキングの2位は、女性ランキング4位の宝酒造「焼酎ハイボール」です。こちらはパッケージに「辛口チューハイ」の表記もあり、男性には飲みごたえのある商品が人気なのかもしれません。
一方、女性ランキングを見てみると、男性ランキング10位の麒麟麦酒「本搾りチューハイ」が5位にランクインしていました。本搾りチューハイは果実そのままのおいしさを楽しめる商品 で、女性には果実感のある商品が人気なのかもしれません。
さらに1歳刻みで詳しく見ていきましょう。
氷結シリーズ比較!同じ「糖類ゼロ」でも傾向に違いがある?
果実系RTDの定番でもある麒麟麦酒の「氷結」シリーズについて、3位にランクインしている「氷結」と、7位で無糖・甘くない味わいが特徴の「氷結無糖」、22位で糖類・プリン体ゼロの「氷結ZERO」のランキングについて比較していきます。
ノーマルの「氷結」は、全年齢で3、4位とランキング上位を維持しており、定番の商品として全年齢で人気があることがわかります。
「氷結無糖」については、20代にかけてランキングが上昇し、36歳になる4位にランクインしていました。一方「氷結ZERO」は同様に糖類を含まない商品ではありますが、ランキング上昇のタイミングは少し遅く、30代にかけて上昇し、39歳で14位にランクインしています。
「氷結無糖」は甘みがなく“食事の時に飲むアルコール”として、「氷結ZERO」はビタミンC入りや糖類・プリン体0など“健康意識の高まりに応える”商品です。
どちらも同じように糖類を含まない商品ですが、ターゲットが異なるため、「氷結無糖」は自宅で食事と飲酒が増える20代にかけて、「氷結ZERO」は健康意識が高まる30代にかけてランキングが上昇しているのかもしれません。
氷結シリーズ男女人気ランキング比較!
性別によるランキングの違いを見てみると、ノーマルの「氷結」は男女ともにランキング3位で性別による人気の差は少ないことがわかります。
「氷結無糖」は、女性ランキングでは6位、男性ランキングでは8位と、若干女性人気の方が高くなりました。「氷結ZERO」についても女性ランキングでは14位、男性ランキングでは26位となっており、全年齢で女性人気の方が高いのが特徴的です。
健康を意識するタイミングは女性の方が早く、その意識も高いので購買する人が多いのかもしれません。
果実系RTDはアルコール感や果実感によって人気の年齢層が変化?
続いて、果実系のRTDについてです。
比較するのは、総合9位の麒麟麦酒「本搾りチューハイ」と、総合28位のアサヒビール「贅沢搾り」です。
麒麟麦酒「本搾りチューハイ」は30代にかけてランキングが上昇し、43歳で5位にランクインしました。一方、アサヒビール「贅沢搾り」は20歳の20位をピークに、年齢とともにランキングが下降しています。
2ブランドの違いを比べてみると、度数については本搾りチューハイは6%、贅沢搾りは4%です。本搾りチューハイはアルコール感が強く、贅沢搾りは果実感が強いといえます。
また、本搾りチューハイは、香料・酸味料・糖類無添加になっており、甘さを控えてヘルシーさを押し出した商品なので、年齢が上がるとともに健康が気になる方に購入されているのではないでしょうか。
贅沢搾りは、低アルコールでフルーツ感が強く、飲みやすいものを好む若年層に人気が高いのかもしれません。
高アルコール度数の「ハイボール」「レモンサワー」は年齢が上がるとランキングも上昇
次は高アルコールブランドにはどのような特徴があるのかハイボール・レモンサワーに分けて見てみます。
ハイボール
ハイボールの中でランキング10位のサントリー「角ハイボール」と13位のサントリー「角ハイボール 濃いめ」を比べてみましょう。
度数7%の「角ハイボール」は、25歳の9位以降ランキングを維持していました。
9%の「角ハイボール 濃いめ」は20歳だと24位であるものの、年齢とともにランキングが上昇し、61歳では9位にランクインしています。
アルコール度数が高いブランドは高年齢層に人気なのかもしれません。
レモンサワー
次に、レモンサワーの中でもランキング8位のサントリー「こだわり酒場のレモンサワー」と、15位のサントリー「こだわり酒場のレモンサワー キリッと辛口」を比べてみます。
度数7%の「こだわり酒場のレモンサワー」は、22~28歳の5位以降若干ランキングは下がるものの、10位以内を維持しています。一方、9%の「こだわり酒場のレモンサワー キリッと辛口」は年齢とともにランキングが上昇し、53歳以降は13位にランクインしていました。
このことから、ハイボール、レモンサワーともに「濃い」「辛口」などの風味の違いはあるものの、アルコール度数が高い方が高年齢層に人気が高いようです。
購買するRTDは、年齢や性別によって異なる
RTDの1歳刻みランキングを読み解くと、性別や年齢によって購入するブランドに差があることがわかります。
今回使用した1歳刻みのデータはCCCMKホールディングスが約7,000万人の属性データと購買データをシングルIDで管理しているからこそ分析できるものです。
CCCMKホールディングスでは、このようなデータを活用したマーケティング施策が可能ですので、気になることがございましたらぜひご相談ください。
なお、今回の記事の元になっているデータは、以下からダウンロードしていただけますので、こちらもご覧ください。
※CCCMKホールディングスでは、セキュリティ上厳重に管理された環境のもと、個人を特定できない状態でマーケティング分析を行っております。
※本コラムに記載された商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
参考:甘くないチューハイ「キリン 氷結無糖 レモン」が宅飲みニーズに新風を巻き起こす | マイナビニュース
永田桜子|マーケティングユニット
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