トライアル数2位!新商品「ドライクリスタル」は「スーパードライ」より若年層に人気?
こんにちは、CCCMKホールディングスの北村です。
2023年10月11日に発売されたアルコール分3.5%の「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」をご存じですか?商品名のクリスタルには、透明感のあるクリアな後味とお客さまの人生を躍動的で充実した輝かしいものにしたい、という思いが込められているそうです。
レギュラービール1位(※)、スーパードライブランドの新商品ですが、一体どんな方が買っているのでしょうか?Tカード利用者約1.3億人(有効ID数)の購買・行動データから読み解いていきます!
※参考:3位には「生ジョッキ缶」がランクイン!若者には「黒ラベル」「アサヒ生ビール」も 人気 |ビール類1歳刻みランキング
今回の分析に活用している購買データを用いた「新商品ランキング」を無料で公開しています。
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■こんな人におすすめ
・発売した新商品がどんな属性に人気なのか確認したい
・食、飲料のトレンドから新商品開発を行いたい
・自社商品プロモーション施策のセグメント策定を行いたい
目次[非表示]
2023年新発売ビールのトライアル&リピート分析
まずは、ドライクリスタル発売後どのように売れているのかに着目します。この1年間で発売されたビールのうち7ブランドと、2021年にドライクリスタルと同じスーパードライブランドから発売された「生ジョッキ缶」の、発売日から28日間のトライアル数(初回購買)とリピート率(2回以上の購入)についてみていきましょう。
全体のトライアル&リピート
トライアル数が最も多かったのはスーパードライ生ジョッキ缶、続いてドライクリスタルでした 。
ファンが多いスーパードライの新商品ということで、スーパードライのブランド力も要因にありそうです。
加えて、生ジョッキ缶は「家でお店の生ジョッキ気分を味わえる」体験価値が、「家でお店の生ビールが飲みたい」という生活者インサイトに刺さり、トライアル数が伸びた可能性もあるのではないでしょうか。
また、リピート率も生ジョッキ缶14.65%、ドライクリスタル12.65%と、この1年での新商品の平均リピート率よりも高い結果になりました。
スーパードライブランドは、緻密なマーケティング戦略もありトライアルで終わらせず日常的に飲みたくなるビールとしての浸透につながっているのかもしれません。
ちなみに最もリピート率が高かったのはサントリー「あしたを想うオールフリー」18.18%でした。記憶力(※)を高めるのに役立つ機能があることが報告されているGABAを使った、ノンアルコールビールテイスト飲料で、他ビールと比べると機能性が特徴です。
機能性を実感するために、リピートで購買される傾向があるのかもしれません。
※参考:“記憶力”に着目した機能性表示食品「あしたを想うオールフリー」新発売
男女別のトライアル&リピート
次に男女別トライアル&リピートを見ていきます。
男性は女性と比べて、サントリー「ザ・プレミアム・モルツ〈ジャパニーズエール〉アンバーエール」のリピート率が高い点が特徴的でした。
ドライクリスタルのリピート率は男性13.63%、女性11.54%と、男性の方が+2.09pt高く、トライアル数も男性の方が高い結果となりました。スーパードライ生ジョッキ缶のリピート率は男性が15.63%、女性が13.79%と女性の+1.84ptでこちらも男性の方が高い結果に。
では、ドライクリスタルは実際どんな方が買っているのでしょうか?
同じブランドのロングセラー商品であるスーパードライ購買者と比べてみてみましょう!
ドライクリスタルVSスーパードライ 購買者の違いとは?
基本属性
性別を見ると、ドライクリスタル購買者は男性が53.4%、女性が46.6%と若干男性の割合が高くなっています。一方スーパードライ購買者の男女比はほぼ半々という結果になりました。
続いて性・年代別で見てみます。
ドライクリスタル購買者はスーパードライ購買者と比べて、男性は20代後半~60代前半、女性は20代後半~50代後半の構成比が高くなりました。
ドライクリスタル購買者は比較的若年層に人気のようです。
女性の場合、スーパードライ購買者の70代前半の構成比が高くなっている点も特徴的でした。
ここからはボリュームゾーンである20~50代男性に絞ってデータを見ていきます。
志向性
特徴的な志向性(※)を見てみます。
※Tカードの利用履歴から機械学習で衣食住遊働などを中心に多数の項目をスコアリングしたデータ
まずはドライクリスタル購買者について見てみます。
ドライクリスタル購買者は食:ご当地食材好き・デパ地下好き、遊:自分磨きタイプ、共通:健康意識が高い、が特徴的でした。
健康意識が高く自分磨きに熱心な傾向がありそうですが、ドライクリスタルはローカロリーで低糖質という特徴もあるため、健康面も意識して買われているのかもしれません。
ちなみに、ライフスタイルアンケート(※)では趣味「映画鑑賞」(スコア差分:+4.0%)、「スポーツ観戦」(スコア差分:+3.5%)で見て楽しむ趣味が高い特徴がありました。
発売前の試飲会では、「スポーツ観戦時にお酒を飲みたいが、途中で眠たくなってしまうのは避けたい。そういうときに低アルコールはちょうどいい」という声もあったため、エンタメやスポーツ観戦のお供としての訴求もターゲット層に刺さりそうですね。
参考:アルコール分は3.5%ぐらいがちょうどいい!?アサヒビールの新商品「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」を飲んでみた
※T会員のみなさまに、サイト上で任意で回答いただくアンケート情報
対するスーパードライ購買者を見てみましょう。食:同じモノ頼みがち、遊:メジャー作品好きが特徴的でした。食や遊びに関しても定番のものを好む傾向がありそうです。
また、衣:まとめ買いタイプで、社交的という特徴も見えてきました!
飲料併買
続いて、ドライクリスタル購買者とスーパードライ購買者では、買っているものにどのような違いがあるのでしょうか。
まずは飲料から見てみます。
ドライクリスタル購買者の併買ランキングでは、サントリー「ザ・プレミアム・モルツ 〈ジャパニーズエール〉アンバーエール」や、キリンビール「SPRING VALLEY サマークラフトエール<香>」など期間限定のビールが多くランクインしていました。
ドライクリスタル購買者はもともとビール党で、期間限定のビールを試す傾向がありそうですね。
また、アサヒビール「アサヒ ビアリー」が5位、サントリー「のんある晩酌 ハイボール
ノンアルコール」が7位、サントリー「あしたを想うオールフリー」が9位と、微アルやノンアルコール飲料がTOP10にランクインしていました。
ドライクリスタルは従来のビールよりもアルコール度数が3.5%と低いため「お酒を飲みたいけどあまり酔いたくはない」という文脈で飲料を選んでいる方が、新しいお酒の選択肢としてドライクリスタルを買っているのかもしれませんね。
対する、スーパードライ購買者はスーパードライブランドがTOP10中7つランクインしていました。
ロングセラー商品であるスーパードライは「スーパードライしか飲まない!」というブランド固定の熱心なファンが多いのかもしれません。
お菓子併買
次に併買しているお菓子の特徴的な商品TOP10を見てみます。
ドライクリスタル購買者の併買しているお菓子は、スナック菓子が多くランクインしていました。
なかでも、湖池屋「The 素材のご馳走 ポテト 塩とごま油」やカルビー「YUMMYヤミーPOTATOポテト やみつきチーズ味」など、2023年に発売された新商品が多くランクインしていることも特徴でした。
志向性でも食への関心が高い傾向があったため、新しい味に興味を持つ方が多いのかもしれません。
対するスーパードライ購買者の併買しているお菓子を見てみます。
よっちゃん食品工業「す漬いか」やおやつカンパニー「ベビースターラーメン チキン味」など定番・ロングセラーの商品が多くランクインしています。
お菓子でもやはり新商品好きと定番好きの違いが表れていそうです。
約1.3億人の購買・行動データで購買者分析を!
注目の新商品「ドライクリスタル」とロングセラー商品「スーパードライ」の購買者を比較して、下記のようなことが見えてきました。
・ドライクリスタル購買者は新商品買いがち、健康意識高めのビール党が多い
・スーパードライ購買者はスーパードライファンで定番商品好き
このように、購買データや属性データを掛け合わせた分析はCCCMKホールディングスが約1.3億人(有効ID数)の属性・購買データをシングルIDで管理しているからこそできることです。
今回の分析にも活用した購買データを用いて毎月更新される、新商品の人気ランキングも、無料でダウンロードいただけます!
4カテゴリ(アイス・菓子・清涼飲料・アルコール類)のランキングを、「Z世代」をはじめとする10セグメントごとにみることができますので、ぜひご覧ください。
■こんな人におすすめ
・発売した新商品がどんな属性に人気なのか確認したい
・食、飲料のトレンドから新商品開発を行いたい
・自社商品プロモーション施策のセグメント策定を行いたい
※データは毎月自動で更新します。
※PCでの閲覧を推奨しております。
今後も、世の中のできことをデータで検証してみるコラムを発信していきますので、お楽しみに!
※今回使用したデータの概要
期間:<属性・ライフスタイルアンケート・志向性>2023年4月21日~2023年10月5日
<併買データ>2022年11月3日~2023年11月2日
抽出元:多種多様なTポイント提携先の購買データ
対象者:全国・20~89歳の男女(満年齢基準日:2023年4月1日)
※CCCMKホールディングスでは、セキュリティ上厳重に管理された環境のもと、個人を特定できない状態でマーケティング分析を行っております。
※本コラムに記載された商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
北村 萌|マーケティングチーム
インサイドセールスでの経験を活かしながら
「CCCMKホールディングスのデータって面白い!」
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