アンケート調査の方法とは?種類や調査項目の作り方を解説
アンケート調査は、顧客からの評価や意見を把握したり、仮説を検証したりする手段として有効です。しかし、アンケート調査を実施しても、回答率が低く、参考になるデータが得られなかったり、調査方法の選定や実施方法に問題があって、調査結果が活かせなかったりする場合もあるかもしれません。
本記事では、アンケート調査を効果的に実施するために、調査の種類や方法の選び方、実施方法などについて解説します。あわせて、アンケート調査を実施する際の注意点や、効果があった調査の実例もご紹介します。
目次[非表示]
- 1.アンケート調査の種類
- 2.アンケート調査の方法の選び方
- 2.1.定量調査が向いているケース
- 2.2.定性調査が向いているケース
- 3.アンケート調査の実施方法
- 3.1.1. 目的の設定
- 3.2.2. 調査方法の選定
- 3.3.3. アンケート内容の作成
- 3.4.4. アンケートの実施・集計
- 3.5.5. 調査レポートの作成
- 3.6.6. フィードバック
- 4.アンケート内容の作成時の注意点
- 4.1.質問数と各質問の長さ
- 4.2.質問の並び
- 4.3.回答者の負担を意識した質問
- 5.CCCMKホールディングスが提供するアンケート調査の内容と特徴
- 6.CCCMKホールディングスが支援したアンケート調査の事例
- 7.アンケート調査を、適切な方法選定と答えやすい質問内容で成功させよう
アンケート調査の種類
アンケート調査は、大きく「定量調査」と「定性調査」の2つに分類することが可能です。それぞれ下記のような特徴があります。
定量調査
定量調査とはアンケートを実施し、回答を統計的に「数値」で分析する調査です。
例えば、「はい」「いいえ」の選択肢から回答してもらい、それぞれの割合を集計します。これにより、それぞれの回答率は「はい」45%、「いいえ」55%といったように、全体の傾向を数値で把握できます。
また、回答者は決められた選択肢から選ぶだけなので、回答するときの負担も少ないでしょう。一方で、統計的に意味や傾向を導き出せる回答数が必要になるため、多くの回答者を募集しなければなりません。
定量調査に分類される調査としては、下記のようなものが代表的です。
■主な定量調査
定性調査
定性調査は、数値化できない人の気持ちや感想、行動などを、「言葉」で把握する調査です。
一人ひとりの意見を詳しく掘り下げることで、商品開発・改善のアイデアのヒントや、隠れた顧客ニーズを発見するのに役立ちます。一方、インタビュアーの力量によって回答の質が左右されることや、調査対象者の選定に手間がかかることがあるため、注意が必要です。
定性調査に分類される調査としては、下記のようなものが代表的です。
■主な定性調査
アンケート調査の方法の選び方
アンケート調査を実施する際に、定量調査と定性調査のどちらを選択するべきかは、調査の目的によって異なります。なぜアンケート調査を行いたいのかを明確にして、最適な方法を選択しましょう。
定量調査が向いているケース
定量調査は、「顧客の動向を把握したい」「数値で裏付けたい」「仮説を検証したい」など、全体の傾向を把握するケースに適しています。
例えば、「ミネラルウォーターの購買場所」といった購買行動について調査したい場合は、定量調査が最適です。
回答の選択肢として「自動販売機」「スーパーマーケット」「コンビニエンスストア」「ECサイト」「その他(ウォーターサーバーなど)」といったものを用意し、その回答結果を集計すると、顧客の行動の傾向が把握できます。
定性調査が向いているケース
定性調査は、「原因や背景を詳しく知りたい」「行動の背景を把握したい」といった、数値ではわからない顧客の心理などを知りたいケースに適しています。特に、商品・サービスの改善点をあぶり出したいときには、定性調査が最適です。
最初の質問に対する回答を得た後に、モデレーター(司会者)から回答者にさらに深掘りして心理や背景を聞けるため、想像していなかった意見や価値観を把握できる場合もあります。例えば、食品に関する調査で、味や食感といった商品の質に関する改善点をヒアリングしたところ、結果的に商品の見た目に関する改善点が明らかになるケースなどが考えられます。
アンケート調査の実施方法
アンケート調査を効果的にするには、どのようなステップで実施するかが重要です。一般的には、下記のような手順で実施するといいでしょう。
1. 目的の設定
アンケート調査を実施するときには、まず目的を設定することが重要です。
目的を明確にしないと最適な調査方法を選択できず、事業に活かせるデータを得られない結果となってしまう場合があります。
<アンケート調査の目的の例>
・企業・ブランド全体の評価(ブランドイメージ、サービス・お客さま対応への評価など)を把握する
・商品・サービスの利用頻度(性別・年齢・居住地域・職業別の利用率など)を把握する
・購買者が商品・サービスを認知した経路(成果の高い広告媒体)を調査する
・競合商品との人気の差(競合を含めた商品毎の人気率、自社に足りない点)を確認する
2. 調査方法の選定
調査の目的が決まったら、最適な調査方法を選びます。目的に対して、「定量調査」「定性調査」のいずれかが適しているかを選び、調査方法を検討しましょう。
定量調査ではウェブ調査や郵送調査、定性調査ではグループインタビューやデプスインタビューといった手法がありますが、その中でどの調査方法を選ぶかは、調査対象によって変わります。例えば、若い世代が対象なので紙媒体よりもウェブ媒体でのアンケートのほうが回答を得られやすそうなど、調査したい対象に適した方法を選択してください。
3. アンケート内容の作成
調査方法と調査対象が決まったら、アンケートの内容を作成します。
定量調査では、回答者が答えやすく、かつ集計しやすい質問・選択肢を用意することが重要です。質問・選択肢の方式には、選択肢の中から回答を1つ選ぶ「単一選択型」、複数の回答を選択できる「複数選択型」、順位を選択する「順位回答型」などがありますので、望むデータが最も得られやすそうな方式を選択します。また、選択肢に「その他」として、自由記述の欄を設けることも可能です。
定性調査では、調査目的のために必要な回答が引き出せるような質問項目を列挙していきます。
4. アンケートの実施・集計
アンケートを実施し、回答が集まったら集計します。社内であらかじめ、アンケート実施から集計までの流れを決めておくと、スムーズに実施できるでしょう。
アンケートの集計方法には、項目・選択肢毎の回答者数を集計する「単純集計」と、詳細な分析のために2つ以上の要素をかけ合わせて集計する「クロス集計」があります。
5. 調査レポートの作成
アンケート結果を集計したら、調査レポートを作成します。数値化できる場合はグラフにして、誰が見てもわかりやすい資料にするのがおすすめです。一般的に調査レポートには、下記のような内容を記載します。
<調査レポートの記載項目>
・レポートのタイトル
・目的
・調査期間
・調査方法
・調査対象
・アンケート回収状況
・結果の要約
・結果の詳細
・所感
6. フィードバック
最後に、調査レポートをもとに、当初の目的が達成できたのかを振り返ります。目的が達成できていないのであれば、どのように改善すれば目的を達成できるのかを検討する必要があります。
目的を達成し、役に立つデータが得られたのであれば、そのデータを今後の商品開発やキャンペーンなどに活用します。
アンケート内容の作成時の注意点
アンケート調査を効果的にするためには、どのようなアンケート項目や選択肢を作るかが重要です。回答者から有効な回答を得られやすいようにするために、下記の点に注意してアンケート内容を作成しましょう。
質問数と各質問の長さ
回答者は、質問がたくさんあったり、質問文が長かったりすると、「面倒くさい」と感じて回答するモチベーションが下がります。その結果、回答が雑になるだけでなく、最悪の場合には回答が得られなくなることもあります。
そのリスクを避けるためには、質問数は多すぎず、質問を簡潔にする必要があります。また、冒頭で「アンケート所要時間は◯分です」などと、回答にかかる時間をあらかじめ伝えておくのもおすすめです。
質問の並び
アンケートの質問は、回答者が気軽に答えやすいものから始めることも重要です。最初から難しい問題に直面すると、回答者は「面倒そう」と感じて回答をやめてしまう可能性があります。
最初に「はい」「いいえ」など簡単に答えられる質問から始めて、徐々に踏み込んだ内容の質問にしていくのが効果的です。
回答者の負担を意識した質問
回答者にできるだけ負担をかけない質問にすると、回答率を向上することができます。アンケート作成者が意識していないと、難しい専門用語を当たり前のように質問に入れてしまうなどして、回答者の負担を大きくしてしまうことがありますが、それでは有効な回答が得られない可能性があります。
アンケートの質問作成が完了したら、回答者の視点で内容を再確認してみるのがおすすめです。その際には、下記のような点をチェックしましょう。
<回答者の負担を意識した質問作成時のチェックポイント>
・フォームがわかりやすいか(答えやすいか)
・誰もが同じ解釈ができるようになっているか
・専門用語には注釈が入っているか
・説明用の画像があるか
CCCMKホールディングスが提供するアンケート調査の内容と特徴
CCCMKホールディングスでは、アンケート調査の目的に合わせて、定量・定性調査を行うことができるサービスを提供しています。
【定量調査】Tリサーチ
Tカードの購買・行動データをもとにセグメントした方に対し、直接ウェブアンケートをオファーできるサービスです。実購買データによるセグメントを行うことができるため、ブランドスイッチをした人に対して、そのきっかけや理由を聞いたり、実購買点数をもとにヘビー層・ライト層に分類しアンケートを行い、それぞれの意見の違いを明らかにしたりする調査を行うことができます。
回答者はアンケートパネルではなく、T会員であるため、より一般の生活者に近いリサーチ結果を得ることができることが特徴です。
■Tリサーチのイメージ
【定性調査】ソーシャルリスニングサービス「Blabo!」
Blabo!とは、「生活者の本音」からインサイトを導き出すためのコミュニケーションプラットフォームです。
企業が知りたい内容を、生活者が回答しやすい「お題」として掲載し、ウェブサイトやアプリを通じて生活者の声を集めることができます。企業と生活者が双方向でコミュニケーションを取ることができるため、生活者とのコメントのやりとりの中で本音を引き出すことができます。
Blabo!ではお題を通じた生活者とのオープンなコミュニケーションの中でインサイトを探ることができることが特徴です。
■Blabo!施策のイメージ
CCCMKホールディングスが支援したアンケート調査の事例
事例①Tリサーチで、新商品を購買した人に絞りアンケート調査した事例
化粧品メーカーが、新商品の発売後、お客さまの反応を把握するためにアンケート調査を行った事例です。Tカードの購買データをもとに、実際にその商品を購入した方、かつ、想定顧客層である、18~28歳の女性に絞り、アンケートを実施しました。アンケートでは、商品購入後の継続購買の有無や、その理由などを設問とし、商品の改善に役立てるヒントを得ることができた事例となっております。
事例②Blabo!の定性調査により、消費者インサイトを探り新しい形のシチューを開発
クライアントの食品メーカーさまは、カレーに比べてなかなかシチューの売上が上がらないというお悩みを抱えていました。そこで、売上低下の背景にある理由は何かを明確にするために、Blabo!で、「シチューにまつわるモヤモヤ」をお題として生活者の声を募集しました。すると、「シチューがご飯に合わない」事に関する声が多数寄せられ、「おかずとして物足りない」や「もう一品作らないといけない」といったモヤモヤが明らかになりました。その他にも、実はシチュー好きの中には、ご飯にかけて食べる「かける派」がいることも判明しました。その結果を受け、食品メーカーさまは「かける派」に焦点を当て、一品でも満足のいく新たなシチュー商品を開発しました。
本事例のように、Blabo!では既存製品のモヤモヤをテーマに生活者の声を募集し、インサイトを深ぼるといった定性調査を行うことができます。
アンケート調査を、適切な方法選定と答えやすい質問内容で成功させよう
アンケート調査の成功には、適切な調査対象・調査方法の選定と、答えやすいアンケート内容の作成が重要です。特に、回答者を集めるには大きな労力がかかるため、アンケート調査を実施したくても不安を感じる方も多いかもしれません。
そこでおすすめなのが、CCCMKホールディングスが提供する「Tリサーチ」です。Tリサーチでは、約7,000万人のT会員の購買データとウェブ調査をもとにしたアンケート調査を実施できます。
詳細は下記資料からご覧いただけますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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