アソシエーション分析とは?効果や活用シーン、成功事例を紹介
アソシエーション分析とは、膨大なデータの中から特定の事柄が起きた場合、それに関連して別の事柄が起きやすいというパターンを見つけ出す手法です。主に購買履歴から関連性を見つけて、販売戦略に役立てる際に利用されます。
本記事ではアソシエーション分析の効果や有名な活用例、分析時に用いる指標について解説。あわせて、アソシエーション分析の活用シーンや成功事例を紹介します。
目次[非表示]
- 1.アソシエーション分析とは、膨大なデータから顧客の行動パターンを分析する手法
- 1.1.バスケット分析との違い
- 2.アソシエーション分析の効果
- 3.アソシエーション分析の有名な活用例
- 4.アソシエーション分析で用いる指標
- 4.1.支持度(Support)
- 4.2.信頼度(Confidence)
- 4.3.リフト値(Lift)
- 5.3つの指標でアソシエーションルールを導き出す際の注意点
- 6.アソシエーション分析の活用シーン
- 6.1.店舗での商品陳列・レイアウト
- 6.2.自社運営サイトのサービス向上
- 6.3.ECサイトのリコメンド
- 7. CCCMKホールディングスが提供する購買行動データ分析サービスの内容と特徴
- 8.CCCMKホールディングスでできるアソシエーション分析のイメージ
- 8.1.活用例:機能性炭酸飲料のプロモーション施策
- 8.2.活用例:「ビールとおむつ」検証
- 9.アソシエーション分析で新たな関連性を発見し、販売戦略に活かそう
アソシエーション分析とは、膨大なデータから顧客の行動パターンを分析する手法
アソシエーション分析とは、顧客の購買履歴などから行動パターンを分析する手法のことで、膨大なデータから有益な情報をあぶり出す「データマイニング」のひとつです。
主にPOSデータ(レジで収集される販売実績データ)やECサイトの購買履歴を活用し、「もし◯◯になれば△△が起きる」といった関連性(アソシエーションルール)を探します。これにより、売上や顧客満足度の向上につながる販売戦略を立てることが可能です。
例えば、「寒い日には、ポテトチップスがよく購買される」という傾向が判明したら、秋から冬にかけて集中的に広告展開することで売上アップが見込めます。「夏」と「アイス」のように関連性が高い商品であれば経験から戦略が立てられますが、アソシエーション分析では思いもよらない関連性が判明することもあります。
気温と購買の関係性を分析した結果もございますので、ぜひご覧ください。
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バスケット分析との違い
バスケット分析はアソシエーション分析のひとつで、顧客が持つ買いものかごの中を分析し、併買される商品の組み合わせを抽出する手法です。
バスケット分析は特に購買行動に着目し、小売業で顧客が購買する商品の組み合わせを分析することに特化しています。
アソシエーション分析の効果
経験や勘に頼った販売戦略では、期待する成果が上がらないことが多くあります。一方、アソシエーション分析を活用すると、データに裏付けられた戦略の立案が可能です。
分析結果から異なる商品同士の関連性を導き出すことができれば、顧客により高価格帯の商品を購買してもらうアップセルや、ほかの種類の商品を同時購買してもらうクロスセルを促す販売戦略を立てられます。
例えば、「商品Aを購買した顧客は、グレードの高い商品を購買しやすい」というデータが抽出できれば、商品Aを購買した顧客に高価格帯の商品をプロモーションできるでしょう。
また、「商品Aと商品Bは一緒に購買されやすい」と判明したら、商品Aを購買した顧客に商品Bをおすすめできます。
アソシエーション分析の有名な活用例
アソシエーション分析で有名なのが「おむつとビール」の事例です。
アメリカのドラッグストアで、120万人の顧客のPOSデータをアソシエーション分析したところ、金曜日の17~19時に30~40代の男性がおむつと同時にビールを購買しているケースが多いという傾向が抽出できました。
週末の休みを控えた金曜日の仕事帰りに、子育て世代である30~40代男性が、家族のために「おむつ」を買う際に、自分用の「ビール」も購買する傾向があると判明したのです。そこで、おむつとビールを近くに陳列したところ、売上アップができたといわれています。
この事例では、一見、関連なさそうに思える「おむつ」と「ビール」が、顧客層によっては併買されることを示しています。つまり、アソシエーション分析を活用すると、今まで気づかなかった関連性の高い商品をあぶり出し、戦略的に売上アップを図ることができるのです。
アソシエーション分析で用いる指標
アソシエーション分析では、「支持度(Support)」「信頼度(Confidence)」「リフト値(Lift)」という3つの指標を使って、総合的に分析します。
それぞれの数値を算出する方法と、その数値から何がわかるかを確認していきましょう。
支持度(Support)
支持度とは、すべてのデータのうち「商品Aと商品Bが併買された割合」を表す指標で、下記の式で算出します。
<支持度の計算式>
支持度=商品Aと商品Bを併買した顧客数÷全顧客数
例えば、100人の客が訪れた店舗で商品Aと商品Bを同時に購買した顧客が20人いた場合は、支持度は20%です。
支持度の数値が大きいほど、多くの人に商品Aと商品Bが同時に購買されていることになります。
信頼度(Confidence)
信頼度(Confidence)とは、「商品Aを買った人のうち、商品Bも同時に購買した人の割合」を表す指標で、下記の式で算出することが可能です。
<信頼度の計算式>
信頼度=商品Aと商品Bを購買した顧客数÷商品Aを購買した顧客数
例えば、商品Aと商品Bを同時に購買した顧客は20人で、商品Aを購買した顧客が40人だったようなケースでは、信頼度は50%となります。
信頼度が高いほど、商品Aを購買したら商品Bを購買する可能性が高いため、商品Aを購買した顧客に商品Bをリコメンドすべきと判断できるでしょう。
リフト値(Lift)
リフト値とは、すべてのデータのうち「商品Aがあることで、商品Bの購買率がどのくらい引き上げられているか」を示す指標で、商品Aと商品Bの相関関係を判断するものです。リフト値は、下記の式で算出します。
<リフト値の計算式>
リフト値=(商品Aと商品Bを購買した顧客数÷商品Aを購買した顧客数)÷(商品Bを購買した顧客数÷全顧客数)
リフト値は、商品Aの購買者が商品Bを購買する割合(信頼度)が高い場合に、その要因が「商品Aと商品B」という組み合わせが人気だからなのか、商品B単体の人気によるものなのかを確認するための指標です。
そのため、上記の計算式で、商品A購買者による商品B購買の信頼度を示す「商品Aと商品Bを購買した顧客数÷商品Aを購買した顧客数」を、商品Bの購買率を示す「商品Bを購買した顧客数÷全顧客数」で割って、どちらの要因が大きいといえるかを算出しているのです。
例えば、全顧客数が100人の店舗で、商品Aの購買者数が40人、商品Bの購買者数が25人、商品Aと商品Bを購買した顧客数が20人だった場合の計算例を考えてみます。
この場合、信頼度は「20人÷40人=50%」で、商品Bの購買率は「25人÷100人=25%」となり、リフト値は「50%÷25%=2」です。
リフト値が高いほど、商品Aがあることで商品Bも購買されたという相関関係が強いと評価できます。具体的には、リフト値が2以上の場合には相関関係が強く、リフト値1以上の場合には優位な相関関係があると判断するのが一般的です。上記の計算例のケースは、強い相関関係があるといえるでしょう。
一方で、リフト値が1未満の場合には相関関係は弱いため、商品Bは商品Aとは関係なくほかの要因で購買されている可能性があります。
3つの指標でアソシエーションルールを導き出す際の注意点
アソシエーション分析では、分析結果としてアソシエーションルールを導き出す必要があります。この際、「支持度」「信頼度」「リフト値」の3つの数値を相互に確認して判断することが重要です。というのも、ひとつの指標だけでは、判断を見誤ってしまうことがあるからです。
例えば、商品A・商品Bの購買数がそれぞれ1点ずつのみで、それが同時購買されていた場合、信頼度は「1人(商品Aと商品Bを購買した顧客数)÷1人(商品Aを購買した顧客数)=100%」となります。
しかし、当然ですが、この数値から「商品Aを購買する者は商品Bも購買する傾向がある」とは判断できません。1人の顧客がたまたま同時購買しただけという可能性もあるためです。このケースでは、そもそも支持度が低い(全顧客のうち商品Aと商品Bを併買した人が少ない)ため、信頼度が高くてもそれだけで方針を決められないのです。
どれかひとつの数値が高くても、ほかの数値も加味して慎重に検討しなければなりません。
また、アソシエーションルールを決定するときには、現場で応用できそうかも考慮するといいでしょう。例えば、アソシエーション分析を行った結果、食品である商品Aと衛生商品である商品Bが同時購買されやすいという結果が出ても、それらをセット販売するのは顧客に違和感を与えてしまうかもしれません。現場での販売戦略に活かしやすいルールを導き出せているかという点も、重要になります。
アソシエーション分析の活用シーン
アソシエーション分析は商品の販売だけでなく、ウェブサイトの運営などにも活かすことができます。
店舗での商品陳列・レイアウト
POSデータから併買される商品を見つけ出し、商品Aと商品Bがよく買われる場合には、それらを近くに陳列することで、売上アップにつなげられます。
例えば、「スポーツドリンク」と「塩飴」がよく同時に購買されているようであれば、これらを近くに陳列しても良いかもしれません。
自社運営サイトのサービス向上
アソシエーション分析を、自社の運営サイトの改善に役立てることもできます。特に、ウェブサイトの訪問者が閲覧したページの組み合わせを分析するのは有効です。
例えば「商品ページ」を見た後に「関連コラム」が閲覧される傾向があるケースでは、商品ページ内に関連コラムのリンクを置くことで、ユーザーにとってより使いやすいサイトになるでしょう。このように、分析結果を活用してレイアウトを改善することで、より顧客満足度が高くなり、訴求力の高いサイトを構築できます。
ECサイトのリコメンド
ECサイトで、「この商品を買った人はこんな商品も買っています」というリコメンドを見たことがある人も多いのではないでしょうか。これは、アソシエーション分析を活用した販売促進施策のひとつで、顧客の購買履歴から併買される商品を分析し、興味があると思われる商品を「おすすめ」として表示しています。
データにもとづいてレコメンドしているため、効率的にアップセルやクロスセルを促すことが可能です。
CCCMKホールディングスが提供する購買行動データ分析サービスの内容と特徴
CCCMKホールディングスのID-POS分析では、約1.3億人(有効ID数)のT会員の膨大な購買データをさまざまな切り口で詳細に分析することが可能です。1回の買い物だけでなく、一定の期間で併買されている商品のデータなども活用しながら、購買者分析や施策のセグメンテーションに活かすことができます。
CCCMKホールディングスでできるアソシエーション分析のイメージ
活用例:機能性炭酸飲料のプロモーション施策
ある機能性炭酸飲料のプロモーションの見直しを行う際に、ID-POS分析で優良顧客の分析を行ったとします。
想定顧客は「健康志向」ですが、購買者について分析を行ったところ商品と一緒にカップラーメンや唐揚げ弁当などの商品を併買しており、運動頻度が低く飲酒頻度は高い「なんちゃって健康志向」の方が多い可能性が見えてきました。
バスケット分析を行ったことで想定顧客と実際の購買者のズレが明らかになり、プロモーション戦略の見直しにつながった事例です。
活用例:「ビールとおむつ」検証
アソシエーション分析の一つ、バスケット分析が有名となるきっかけになった「ビールとおむつ」の通説をCCCMKホールディングスの購買データで検証してみました。
約1.3億人(有効ID数)のT会員の属性データとレシート単位の購買データをシングルIDで管理しているため、男性がベビー用おむつとビールを同時に購買しているのかを分析することができます。
結果として、併買率は高いとは言えない結果となりましたが、ノンアルコールビールとの併買率や女性の場合の併買率なども分析しています。
詳しい結果はぜひ資料もご覧ください。
【検証】「ビールとベビー用おむつは一緒に買われる」は本当か?
アソシエーション分析で新たな関連性を発見し、販売戦略に活かそう
アソシエーション分析を行うと、今まで気づかなかった商品やサービス同士の関連性を発見でき、効果的な戦略を立案しやすくなります。しかし、扱うデータ量が多く、分析すべき組み合わせの数も膨大で複雑になりやすいことから、アソシエーション分析を自社内で実施するには不安があるというケースも多いかもしれません。
CCCMKホールディングスは、約1.3億人(有効ID数)のT会員のデータを保有しており、ID-POSデータを活用したアソシエーション分析のお手伝いをすることが可能です。Tカードはさまざまなシーンで利用されることから、業種・業態を横断した購買データを活用できます。アソシエーション分析にお困りの際は、ぜひCCCMKホールディングスにご相談ください。
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