見られる≠買われる!?アイスのCM効果を徹底検証!
2016年の夏も暑かった…暑くなると無性に食べたくなるのがアイス。夏は各種のアイスが店頭に溢れる季節であり、アイスのCMも夏は勝負どころ。そこで、CMの視聴がアイスの購入にどのような影響を与えているのか?幅広い角度からアイスCMの効果を徹底検証してみました!
今回のデータは、関東1都6県で2016年6月27日(月)から2016年7月31日(日)に放送された各アイス商品のCMについて、ライブ・録画でのCM視聴/未視聴と、アイス商品の購入/未購入をそれぞれ分類して分析してみました。
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最も視聴者に届きやすいCMは?
まずは、各社のCM出稿の“リーチ効率※1”を、ランキングにしてみました。
リーチ効率の高かったCMトップ3は以下!
「あずきバー(井村屋)」
「ジャイアントコーン(グリコ/江崎グリコ)」
「パピコ(グリコ/江崎グリコ)
1位の井村屋のあずきバーは、CM出稿量は少ないが、リーチ効率は高い。つまり、最も効率よく視聴者にCMを届けることができたといえる。一方で、5位のハーゲンダッツはCM出稿量が非常に多いため、リーチ効率は低い。つまり、井村屋と比べると、一人の視聴者にCMを届けるのに、多くのCM出稿量を必要としたということです。
次は、出稿量、リーチ効率をみつつ、どのアイスCMが、視聴者に購買意欲を与えたのか?をみてみましょう。CMのチカラがどれくらい発揮されているのでしょうか?
視聴者が最も買いたくなるアイスは?購入リフトランキング
CM視聴の影響を分析するために、CM未視聴者とCM視聴者を比較する分析手法として、購買リフト値※2で、比較してみました。すると、CMの影響度が高かった(CM未視聴者よりもCM視聴者のほうがアイスの購入につながった)商品、CM視聴によってアイスの購入額が唯一高くなった商品は「ハーゲンダッツ」のみ。さらに、ハーゲンダッツは、CM未視聴者の平均購入額が170円に対し、CM視聴者の平均購入額は123.0%増の209円という結果に!
ハーゲンダッツは、出稿量が多く“リーチ効率”面では低かったのですが、CMを視聴する機会が多いことや、CM内容の影響もあってか、視聴者へのアイスの誘惑が成立していたのです!
結論
1視聴者に効率的にリーチしたCMのアイスがよく買われるわけではない!
広告を出した際には“広告がどれだけ多くの人に見られたか?”に着目しがちです。しかし、インターネット検索や購入など、広告を見た後の商品に関する具体的な行動はもっと重要である。今回分析したアイスCMのデータによれば、1視聴者へのリーチ効率が高いCMであっても、商品の購入額にまで影響するCMはわずか。どんなにCMが効率的に見られても、必ずしも購入に結び付くわけではないようです。
しかし、やはりCMを見てもらわなければ話は始まらないので、効果的にアピールできるCMでありたい。今回の調査でCMの影響度が高かったハーゲンダッツは、期間限定の新フレーバーがたびたび登場するため、視聴者はCMで新フレーバーを知ることで購入に結び付いているのかもしれません。
暑いときには暑いときの、寒いときには寒いときのアイスの味わい方というものがあります。こたつで温まりながら食べるアイスはまた格別です。アイスのCMを見て無性に甘い物が食べたくなり、冷たい風に吹かれながらコンビニに走ってしまったことは誰にでもあるでしょう。アイスの魅力を伝えるCMに、これからも注目です。
Detail DATA
【CM別】リーチ効率ランキング
【CM別】CM視聴による購入リフト値ランキング
CM視聴による商品購入額
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