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いつもと違ったシチュエーションで購買意欲を掻き立てた!? チキンラーメンを味わい尽くす、あのCMの効果を調査!

最近、流行っていると聞く「一人キャンプ」や「グランピング」。開放的な外の空間で過ごしたいという人たちが増えてきているようですね。筆者もブームにのっていろいろ始めてみたいと考えていた矢先、大変興味深いCMが目に飛び込んできました。

7月から放送された日清食品の「チキンラーメン『食おうぜ!篇』」です。
出演したのは、テレビアニメ「僕のヒーローアカデミア」のエンディングテーマに起用されるなど、若者から熱い支持を受けるシンガーソングライター崎山蒼志さんと俳優・シンガーソングライターとして活躍する山﨑すがらさん。

2人が河川敷を訪れ、シングルバーナーを使って「チキンラーメン」を調理し、味わい尽くすこのCM。沸騰したお湯にチキンラーメンを投入しトッピングには唐揚げとゆで卵、さらには余ったスープでシメの雑炊まで。外で調理されるチキンラーメンがおしゃれに見え、最高にしずる感のある内容です。

このCMを見てどのような人が購買意欲を掻き立てられ、実際に商品を購入したのか?
10代~20代を中心に人気を集める崎山さんと山﨑さんが思い思いに、いつもと異なるシチュエーションでチキンラーメンを味わうこのCMは、特に若者に影響を与えたのではないか?
また、CMから感じられる「しずる感」はこれまで即席袋麺を買ったことがない人にも購買意欲を与えてのではないか?と考え、調査してみました。

性年代と新規既存の切り口で、CM視聴者のチキンラーメン購買傾向の変化を分析!
新規・既存の定義は、即席袋麺カテゴリ商品を買ったことがある人を「既存購買者」、買ったことがない人を「新規購買者」としました。それでは結果をみてみましょう!

目次[非表示]

  1. 1.CMを見て購買が増えた性年代は?
  2. 2.CMを見て購買金額が増えた性年代は?
  3. 3.CMを見て購買が増えたのは「新規購買者」?「既存購買者」?その購入金額は?

CMを見て購買が増えた性年代は?

このグラフは各性年代の平均を基準値とした時の性年代別購買リフト値を表している。

グラフをみてみると、15歳刻みの性年代のうち、最も購買リフト値が高かったのは「M1」、次いで「F1」、「F2」だった。
より若い世代のCM接触の効果が大きいことがわかります。特に出演者と世代の近い層にとってはその親しみやすさもあってか、ダイレクトに購買意欲を促進することができていたのかもしれません!

CMを見て購買金額が増えた性年代は?

次に、性年代別にCMを見た人の購買金額についてみてみましょう。

CMを見た人たちの購買率のリフト値とあわせて考えていきたい。
まず、最も購買金額リフト値が高かったのは「F1」でした。基準値よりも購買金額が高いことから、家族や自宅ストック用のまとめ買いなど購買金額が高くなる買い方が多かったことが考えられます!

一方、CMを見た人の購買率が基準に比べて最も高かった「M1」の購買金額リフトは、基準に比べて低かったのです。これは興味深い結果ですね。
購買率が高く、購買金額が低いCMを見て購買した「M1」は、トライアルとして単価の低い即席袋麺の単品買いをする人が多かったのではないかと推測できるでしょう。

つまり、CM出演者に近い年代の男性がCM内容と同じく自分が食べる分だけの商品を購入してると考えられるのではないでしょうか。
また、「M2」「M3」「F3」の購買金額は基準値とぼぼ変わらないことから、金額に与えるCMの影響は小さいことがわかります。

ここまでは、CMを見た人の性年代別の購買率、購買金額についてみてきました。
結果、今回の CM「チキンラーメン『食おうぜ!篇』」は出演者と内容の親しみやすさもあってか、特に若年層の購買意欲を促進することができたといえるのではないでしょうか。

ここからは、即席袋麺商品を買ったことがある人を「既存購買者」、買ったことがない人を「新規購買者」として、CMを視聴した人のCM効果を性年代と同じく購買率、購買金額で分析していきます!

CMを見て購買が増えたのは「新規購買者」?「既存購買者」?その購入金額は?

まずは、「新規購買者」「既存購買者」の購買率についてみてみると、「新規購買者」はCM視聴者の購買率は基準に比べて高かった。
一方、「既存購買者」はCM視聴者の購買率は基準に比べて低い結果となっていました。

即席袋麺を買ってきた人に対しては、今回のCMはそれほど購買意欲を掻き立てられなかったのかもしれません。反対に、即席袋麺を購入したことがない人、最近購入したことがない人にとっては思わず食べてみたいと思わせることができていたのかもしれません!

このCM「チキンラーメン『食おうぜ!篇』」はチキンラーメンにとっての新規ユーザーを獲得しているということがわかりました!

次に、性年代別のCMを見た人の購買金額についてみてみましょう。
結果をみてみると、「新規購買者」「既存購買者」ともにそれぞれの基準値に比べて購買金額が高いことがわかります。

過去の購買有無にかかわらず、CMを見た人の購買金額が高いということは、CMが客単価UPに大きな効果を発揮したといえますね!
特に「新規購買者」に対して、このCM「チキンラーメン『食おうぜ!篇』」はCM接触により、新たな購買者を多く生み出し、一人当たりの購買金額を高める結果となりました!

今回の結果を振り返ってみて、CM「チキンラーメン『食おうぜ!篇』」は若い層とこれまで即席袋麺を購買してこなかった「新規購買層」を取り込んだことがわかりました!
性年代を意識した出演者の起用や、しずる感のあるシーン提案はわかりやすくダイレクトに響き、実際の購買にも影響があったと言えるのではないでしょうか。

今回も分析の結果とCMのクリエイティブの関係性について考えることの面白さを感じることができました!筆者もチキンラーメンの調理に挑戦したいな、そんな気持ちにさせる「シーン提案」は強烈な訴求表現だと考えさせられました。

以上、どういったCMが消費者の購買意欲を促進するのか、分析をしてみました!


※CCCMKホールディングスでは、セキュリティ上厳重に管理された環境のもと、個人を特定できない状態でマーケティング分析を行っております。 
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