ノンアルコール飲料の市場と購買者の志向をデータから読み解く!
こんにちは、CCCMKホールディングスの永田です。
現在、ノンアルコール飲料の市場は右肩上がりで拡大を続けています。
そこで今回は、ビール以外にもさまざまな商品が続々と登場しており、需要も増えているノンアルコール飲料について、各ジャンルのブランドシェアや人気商品、併買される商品、ノンアルコール飲料を購買する層の趣味・志向などを、集計したデータを元にご紹介します。
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今回使用するノンアルコール市場のデータの概要
今回使用するデータの抽出定義は、以下です。
・期間:2021年12月1日~2022年11月30日
・抽出元:多種多様なTポイント提携先の購買
・対象者:全国・20~89歳の男女
ノンアルコール飲料の市場について
ノンアル飲料の需要は増加しており、約10年前から現在も市場は拡大し続けています。
株式会社富士経済のカクテルドリンクやチューハイのほか、梅酒、ワイン、焼酎、日本酒などの風味を持ったノンアルコール商品の市場調査結果で、2022年見込は206憶円で2021年比が117.0%、2023年予測は221億円となり、2022年見込比は107.3%でした。
健康意識の高まりや、大手メーカーがバラエティの豊かなフレーバーや甘くない商品を発売したことでアルコールユーザーの需要を取り込み、市場は拡大し続けているようです。
低アルコール・微アルコールの市場について
低アルコールや、微アルコールの市場にも注目してみます。
アルコール度数が3%前後の低アルコールについては、アルコール度数が低いことからお酒が苦手な方でも楽しめるのが特徴です。また、健康のことを思ってお酒を控えたいと考えているものの、ノンアルコールでは物足りないと感じる方からも選ばれています。
微アルコールとは、アルコール度数0.5%程度の飲料です。法律上、アルコールとされるのは度数1%以上の飲料なので、微アルコールはノンアルに分類されます。
アサヒビールが2021年3月に発売したビールテイスト飲料である「ビアリー」が代表であり、2021年の発表によると同社ではビールテイスト飲料の同年前期の売り上げが約20%もアップ したとのことです。
さらに他にもアサヒの「ハイボリー」、サッポロの「The DRAFTY」などさまざまな微アルコールが登場しており、今後も市場は盛り上がりを見せそうです。
ノンアルコール市場のカテゴリ・ブランドシェアをチェック
では早速、ノンアル飲料のカテゴリ・ブランドシェアを見てみましょう。
今回今回使用するデータは下記からダウンロードしていただけます。ぜひダッシュボードを操作しながらご覧ください。
ノンアルコール市場のカテゴリシェア
アルコール飲料であるビールと、缶チューハイや瓶入りのカクテルといったRTD(Ready to drink:蓋を開けてすぐ飲めるお酒)を比較してみると、ビールは44.83%、RTDは49.40%となっており、若干ではありますがRTDのシェアが高い傾向にあります。
一方、ノンアル飲料については逆にビールのシェアが高く、ノンアルビールは3.66%なのに対し、ノンアルRTDは2.11%となりました。
これは、現在と異なり一昔前まではビールのほうが高いシェア率を誇っていたことから、メーカー側がいち早く開発に力を入れたノンアルビールは、ビールと変わらぬ美味しさで多くの方から選ばれているため、シェアが高くなったのかもしれません。
現在はRTDの人気が高まってきているため、ノンアルRTDの商品開発も進み、今後さらにシェアを伸ばすかもしれません。
ノンアルコール市場のブランドシェア
では、続いてノンアルコール市場のブランドシェアについてみていきましょう。
ノンアルビールは、「アサヒ ドライゼロ」が圧倒的なシェアを誇ります。続いて「サントリー オールフリー」「サントリー オールフリー からだを想うオールフリー」と続き、サントリーはこの2ブランドを合わせるとアサヒのドライゼロに近いシェアになります。
ノンアルRTDについて、トップは「アサヒ スタイルバランス」、続いて「サントリー のんある晩酌」、3位に「CCJC 檸檬堂」と続きます。
微アルのアサヒ「ハイボリー」も上位10ブランドに入りました。
ノンアルコール飲料のビール&RTDの購買者属性
ノンアル飲料購買者は、アルコール飲料購買者と比較した場合にどのような特徴があるのか、見てみましょう。
ノンアルコールビールの購買者属性
ビールと比較するとノンアルビールを選択している性別の割合は、男性が44.6%、女性が55.4%と、女性の割合が高い傾向にあります。なかでも50~60代女性のシェアが高く、50歳~84歳まではビールよりもノンアルビールを飲んでいる女性の割合が多いことがわかりました。
男性は、60代以降にノンアルビールのシェアが増えるものの、女性ほどの伸びはありません。なお、男性の場合も65歳以降はビールよりもノンアルビールを選択する方の割合が多いようです。
また、特徴的な顧客DNAについて、50代女性に絞って見てみましょう。
食は健康志向であり、衣類は素材重視、仕事や遊びも自分磨きを重要視する傾向があります。自分磨きの中で健康意識も高まり、ビールよりもノンアルビールを選択している方が多いのかもしれません。※Tカードの利用履歴から機械学習でT会員の志向性を分析したデータ
ノンアルコールRTDの購買者属性
ノンアルRTDは、RTDと比較すると圧倒的に女性の割合が高く、女性が67.4%、男性が32.6%でした。特に30代以降の女性はRTDよりもノンアルRTDを選択する女性の方が多い傾向があるようです。
また、こちらも特徴的な顧客DNAについて、20代男性に絞って見てみましょう。
衣類は「値引き商品が好き」、食は「まとめ買い派」であるため、家で過ごすことが好きであり、コスパ重視である可能性が高いことも分かりました。
ノンアルコール飲料派の志向性
アルコール飲料よりノンアル飲料を好んで飲んでいる方は、志向にどのような特徴、傾向があるのかみていきます。
※主飲:全体購入量のうち51%以上を占めるカテゴリを「主に飲んでいる」と判定
ノンアルコール飲料派の食の志向性
食の志向について見てみると、ノンアルビール派はビール派よりも
・健康志向
・オーガニック好き
・国産食材、野菜好き
など、健康意識が高いようです。
ノンアルRTD派も同じく、RTD派よりも健康志向の特徴がありました。
健康志向から休肝日などを設けてノンアル飲料を購買している方が多いのかもしれません。
ノンアルコール飲料購買者が購買する商品の傾向
ノンアル飲料を購買する方は、他にどのような商品を購買している傾向があるのでしょうか。
ノンアルコールビール派とビール派の併買商品を比較
まず、ノンアルビール派はビール派よりも
・炭酸飲料
・低カロリー甘味料
・ベビー関連用品(ベビーフード、育児用ミルクなど)
を購買しています。
低カロリーのものを選んでいるところからは健康意識が、ベビー用品からは育児中にノンアルビールを購買するシチュエーションが想像できます。
ノンアルコールRTD派とRTD派の併買商品を比較
ノンアルRTD派は、RTD派よりも
・低カロリー甘味料
・ベビー関連用品
・干し椎茸
・ホームメイキング材料
・煮干し
を購買していました。
ノンアルビール派と同じような購買傾向もありましたが、ノンアルRTD派は調理が必要な食材も購買する傾向にあったので、自炊をする人が多いのかもしれません。
ノンアルコールビール派かノンアルコールRTD派かにより属性や志向性が異なる
近年需要が増えているノンアル飲料について、市場情報やノンアルビール・ノンアルRTD購買者の志向・行動データについて読み解きました。
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永田桜子|マーケティングユニット
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