レジ袋有料化後、買う・買わないの基準をデータ分析!お弁当のごみ袋用?エコバックを汚さないため?
こんにちは、CCCMKホールディングスの永田です。
2020年7月から全国的にレジ袋(プラスチック製買物袋)の有料化が始まったことで、エコバッグを使用する方が増えてきましたが、中には基本的にレジ袋は使わないものの、たまに買う方もいるようです。
では、「レジ袋の購入」はどのように使い分けているのでしょうか?データから読み解きます。
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今回使用するデータの概要
今回使用するデータの抽出定義は、以下です。
期間: 2021年6月1日~2021年8月31日
抽出元:多種多様なTポイント提携先(スーパーマーケット各社) の購買
対象者:全国・10~89歳の男女
Tポイント提携先(スーパーマーケット各社)を6回以上利用している方のうち、次のように定義してレジ袋購入者の傾向をみていきます。
毎回レジ袋を購入している:レジ袋利用者
1回も購入なし:レジ袋非利用者
どちらもあり:購入する時もしない時もある
有料化レジ袋の利用に関する基礎情報データ
それぞれで構成比と性年代の特徴から解説します。
今回利用するデータについては、下記からダウンロードが可能です。ぜひダッシュボードを操作しながらご覧ください。
※表示端末によって画像が見えづらい場合がございます。詳細は資料をダウンロードの上ご確認ください。
レジ袋の利用割合データ
構成比を見てみると、レジ袋非利用者が67.8%と約7割を占めており、圧倒的にレジ袋を利用しない方が多い結果となりました。
一方で、レジ袋を毎回利用する方は、全体の1.2%しかいませんでした。このことから、現在は多くの方がエコバッグなどを持ち歩き、レジ袋有料化に対応していることがわかります。
レジ袋を利用することもあればしないこともある方は、全体の31.0%と約3割です。
データから見る各セグメントの性別・性年代の特徴
続いて「有料レジ袋利用者」「有料レジ袋非利用者」「どちらもあり」それぞれのセグメントについて、性年代別の特徴を見ていきます。
有料レジ袋利用者
有料レジ袋を利用しているのは、圧倒的に男性が多い結果となりました。全体の70.6%を占めています。男性では特に40~50代の割合が、女性では40代の割合が高くなりました。
毎回必ずレジ袋を買っている利用者全体の割合は1.2%と少数派なので、男女ともに割合が高い40代は単純にスーパーマーケット利用者のボリュームゾーンなのかもしれません。
有料レジ袋非利用者
続いて、レジ袋非利用者については、圧倒的に女性が多く、全体の69.8%を占めていました。
とくにスーパーマーケットのメインユーザーである40代以降の女性が多く、買い物の頻度も多いことからレジ袋ではなくエコバッグを活用していることが想像できます。
有料のレジ袋は、一枚あたり2~5円程度ではありますが、毎日の買い物になると軽視できない金額なので、エコバッグを持ち歩く生活が定着しているのかもしれません。
どちらもあり
買ったり買わなかったりと、その時々によって異なるユーザーも見ていきます。
どちらもありのユーザーについても女性のほうが多く、全体の61.0%を占めていました。女性の50代以降は割合が減っていることから、非利用者の構成比からも絶対に買わない傾向が強いとわかります。
20~30代の男女は、レジ袋を買う買わないどちらかというより、シーンによって使い分けているのかもしれません。
「どちらもあり」のユーザーはどんなシーンでレジ袋を買う?
では、「どちらもあり」のユーザーに注目して、どのような基準でレジ袋を利用しているのか購入点数・購入金額をみてみます。
購入点数のデータからみる
1回の購入(レシート単位)で「何品」買っているかを見ていきます。
棒グラフが性年代、赤線が点数差分です。
グレーがレジ袋を買わない時の合計購入点数、ブルーがレジ袋を買う時の合計購入点数です。どの年代でもレジ袋を買う時のほうが合計購入点数が多いです。
レジ袋を買う時と買わない時の点数差(赤線)を見てみると、男性が1.5~2.1品(約0.6品差)、女性が2.1~2.7品(約0.6品差)でした。男女どちらも差分の上下は1品以内で、年代による差異は少ないといえます。
また、レジ袋を買わないときの点数(グレーグラフ)をみてみると、男性は最大で7.5品、女性は最大9.3品程購入してもレジ袋を買っていないため、予想通りシーンによってエコバッグなどを活用し、レジ袋の買う・買わないを判断していることがわかります。
購入金額のデータからみる
1回の購入(レシート単位)で「何円」買っているかを見ていきます。
棒グラフが性年代、赤線が金額差分です。
グレーがレジ袋を買わない時の合計購入金額、ブルーがレジ袋を買う時の合計購入金額です。どの年代においてもレジ袋を買う時のほうが金額が高いです。
レジ袋を買う時と買わない時の金額差(赤線)を見てみると、女性は20代以降、年代が上がるほど購入金額差分が大きく傾向が強く見られました。一方、男性は50代にかけて下がり、70代から上がっていくのが特徴的です。
男女で比較してみると、女性のほうが差分が大きいことから、先述の購入者性年代の傾向の通り、男性のほうがレジ袋購入に抵抗がない可能性があります。また、20代よりも10代の金額が高いのは10代のほうがおつかいなどで家族分を購入するケースが多いからなのかもしれません。
レジ袋を買う傾向が強いのは金額が高く・点数が多いケースであることは想像通り見えてきました。では、何を買う際にレジ袋を買う傾向にあるのかみていきます。
「どちらもあり」のユーザーは何と一緒にレジ袋を買っている?
どのようなものを買った際にレジ袋を利用しているのかみていきます。
10代男女がレジ袋を購入するケース
男女で比較してみてみると、男性は米飯加工品や氷のほか、おかず、調理食品、お弁当などを中心に、自分で食べるものを買う時にレジ袋を買う傾向が見られました。
一方女性は、お肉やえのきなど、料理する素材を買う時にレジ袋を買う傾向にあります。もちろん自分で料理している方もいるとは思いますが、10代なのでおつかいなども含まれていそうです。
40代男女がレジ袋を購入するケース
続いて40代は、男女ともに氷がランクインしています。手で持つには冷たいほか、エコバッグに入れると濡れてしまうので、レジ袋と併買されやすい商品なのかもしれません。
10代と比較すると、弁当、調理食品、サラダ、おかず、刺身盛り合わせなど、汁もので中身が漏れやすい商品や、そのまま食べられる商品が特徴的です。
お気に入りのエコバッグを用意している方も多いため、エコバッグが汚れてしまいそうなシーンでレジ袋を買っているのかもしれません。
また、すぐに食べられるものが多くランクインしていることから、漏れの他に、ごみ袋としてそのまま使うシーンも考えられます。
70代男女がレジ袋を購入するケース
70代をみてみると、40代などと比べると男女ともにすぐに食べられる商品は少ないようです。
男性を見てみると、すいか、さくらんぼ、ももがランクインしています。フルーツ類がつぶれてエコバッグが汚れることを防ぐために購入しているのかもしれません。また、氷・水、野菜ジュースなどの重たいものも入っていました。これらも手で持ち帰るよりもレジ袋を使ったほうが楽なこと、エコバッグでは強度が心配なケースがあることなどが考えられます。
女性を見てみると、10代、40代では出てこなかった米が出現しています。ティッシュペーパー、トイレットペーパーや水やお茶などの飲料系も上位にいることから大きな買い物、重たい買い物の際にレジ袋を買っているようです。
先述の若年層の購買に大きなものや重たいものがあまりランクインしなかったのは、店頭で購入するシニア層と比べて、ネットショッピングを活用しているからかもしれません。
有料化したレジ袋の利用は利用シーンによって違いが見られた
今回は有料化後のレジ袋の利用状況や、「どちらもあり」の方がどのような基準でレジ袋の買う・買わないを判断しているのか、購買データから読み解きました。
詳しいデータは下記よりダウンロードしてご覧ください。
今回の分析は、CCCMKホールディングスが約7,000万人のT会員のデータをシングルIDで管理しているからこそできたものです。
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永田桜子|マーケティングユニット
「データ」と「視点」を活かして みなさまの
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