ダイレクトメール(DM)とは?作成方法や広告効果、事例を解説
ダイレクトメール(DM)は、イベントの案内や商品の販売促進などに有効なマーケティング施策のひとつです。名前は知っていても、具体的な作成の進め方やポイントがわからない方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、ダイレクトメールの概要や種類、メリット・デメリットについて解説します。併せて、ダイレクトメールの作成方法や効果を出すためのコツ、成功事例などについても見ていきましょう。
目次[非表示]
- 1.ダイレクトメール(DM)とは、はがきや封筒、メール、FAXで送る広告のこと
- 2.ダイレクトメール(DM)の種類
- 3.ダイレクトメール(DM)のメリット
- 3.1.顧客や購買意欲に合わせたアプローチができる
- 3.2.普段、あまりインターネットを利用しない顧客層にも訴求できる
- 3.3.特に郵送ダイレクトメール(DM)は反応率が高い
- 3.4.クリエイティブの自由度が高い
- 4.ダイレクトメール(DM)のデメリット
- 5.ダイレクトメール(DM)の作成方法
- 5.1.1. 送付先の決定
- 5.2.2. 訴求内容の決定
- 5.3.3. デザインの決定
- 5.4.4. 送付時期の決定
- 5.5.5. 効果測定
- 6.効果的なダイレクトメール(DM)を作成するコツ
- 6.1.印象に残る見た目にする
- 6.2.挨拶状を必ずつける
- 6.3.顧客にとってのメリットをわかりやすい場所に記載する
- 7.CCCMKホールディングスが提供するダイレクトメール(DM)の種類
- 7.1.① 郵送ダイレクトメール(はがき/封筒/箱型など)
- 7.2.② メール(Eメール)
- 8.CCCMKホールディングスが提供するダイレクトメール(DM)の特徴
- 8.1.詳細なセグメント設計が可能
- 8.2.詳細な効果検証が可能
- 8.3.Tポイントをインセンティブとすることでアクションを促進
- 9.ダイレクトメール(DM)の成功事例
- 10.ダイレクトメール(DM)の失敗事例
- 11.コツを押さえて効果的なダイレクトメール(DM)を作成しよう
ダイレクトメール(DM)とは、はがきや封筒、メール、FAXで送る広告のこと
ダイレクトメール(DM:Direct Mail)とは、企業から顧客にはがきや封筒、メール、FAXで送る広告のことです。新規顧客や既存顧客に送付し、購買や問い合わせなどを促すことを目的としています。
近年では、TwitterやInstagramなどのSNSにDM機能が実装され、広告の「ダイレクトメール」と混同されることがあります。しかし、SNSのDMは、特定の相手とメッセージを送受信する「ダイレクトメッセージ」の略で、ダイレクトメールとはまったく異なるものです。
ダイレクトメール(DM)の種類
ダイレクトメールを送付する方法は、はがき、封筒、メール、FAXの4種類です。それぞれの特徴を踏まえ、うまく使い分ける必要があります。
はがき
はがきは、裏面を見ればすぐに内容を確認でき、基本的には開封の必要がありません。また、封筒と比べて、印刷・送付のコストを抑えられます。
通常はがきは10cm×14.8cmとサイズが小さいですが、掲載したい情報量によってはA4はがき(21cm×29.7cm)や大判はがき(12cm×23.5cm)、圧着はがき(2つ以上に折りたたまれていて接着面をはがすと内容を確認できるはがき)を利用することも可能です。
封筒
多くの情報を届けたいときには、封筒が適しています。チラシなどの案内状だけでなく、カタログや商品サンプルなどを同封することで訴求力はさらに高まるでしょう。
しかし、開封されなければ顧客に情報が伝わらないため、手に取ったときに思わず開封したくなるような工夫が必要です。封筒のダイレクトメールは、はがきに比べて印刷・送付のコストが高く、大きさや重さによってコストは変動します。
メール
メール(Eメール)は、商品やイベントの案内などをリアルタイムに発信したいときに最適です。複数人に一斉送信でき、印刷や封入のコストもかかりません。また、HTML形式で送信すれば、画像挿入や文字のフォント・色・大きさの設定が自由にでき、開封率も簡単に把握できます。
なお、メールは件名や宛名だけで「不要」と判断されて、開封されないケースもあります。そのため、「目を引く件名にする」「顧客に有益な情報を送信する」といった工夫が必要です。
FAX
FAX番号を把握していれば、FAXでダイレクトメールを送ることも可能です。FAX送信を代行してくれる専門業者に依頼する場合、1枚あたり8~10円と比較的安価に送信できます。また、届いたFAXは誰でも一度は内容を確認するため、確実に情報が届くという点は大きなメリットです。
しかし、必ず白黒印刷になるため、盛り込める情報量や訴求力は、はがきや封筒に比べて劣ります。また、トナーや印刷用紙のコストは顧客の負担になるため、クレームが来るリスクもあり、注意が必要です。
ダイレクトメール(DM)のメリット
ダイレクトメールは、うまく活用することができれば大きな効果を発揮します。そのためには、下記の4点のメリットを意識することが重要です。
顧客や購買意欲に合わせたアプローチができる
アプローチしたい顧客に、直接伝えたい情報を届けられるのがダイレクトメールのメリットです。特に、顧客の購買・行動履歴を活用してセグメントすると、購買意欲のレベルに合わせた内容を発信でき、大きな効果が期待できます。
顧客のセグメントとは、「自社イベントに参加した」「購買歴はあるが直近1年以内に購買していない」といった行動履歴や、性別・年齢・地域などで分類することを指します。下記のように、顧客に合わせて訴求ポイントを変えることで、ダイレクトメールの効果はさらにアップすると考えられています。
■セグメントに応じた訴求ポイントの例
普段、あまりインターネットを利用しない顧客層にも訴求できる
ウェブ広告の場合、アプローチ対象はパソコンやスマートフォンでインターネットを閲覧する人に限定され、それ以外の顧客層には訴求できません。
しかし、はがきや封筒でダイレクトメールを送る場合、インターネットの利用の有無にかかわらず、さまざまな顧客層へのアプローチが可能です。
特に郵送ダイレクトメール(DM)は反応率が高い
トッパン・フォームズ株式会社によるアンケート調査「DMに関する生活者調査(2020年度)調査結果レポート」(2021年3月)では、「内容に目を通す」という回答があった割合は、Eメールでのメールマガジンが42.3%であるのに対し、郵送されるダイレクトメールは62.6%と高くなっています。
顧客層に合わせてデザインを工夫した郵送のダイレクトメールは、内容を見てもらいやすいという特徴があります
クリエイティブの自由度が高い
広告は、顧客の目を引くためのクリエイティブ(広告用に制作したコンテンツ)のデザインが重要です。その点、はがきや封筒のダイレクトメールは、紙面に収まる限りは自由にクリエイティブをデザインでき、顧客にインパクトを与えることができるというメリットがあります。
封筒であれば、カタログや商品サンプルなども同封でき、効果的な広告を展開することが可能です。
ダイレクトメール(DM)のデメリット
メリットの多いダイレクトメールですが、下記のような弱みやデメリットがあることをきちんと押さえておく必要もあります。
時間的・金銭的コストがかかる
ダイレクトメールの効果を最大限に発揮するには、マーケティング分析、セグメント設計、送付リストの作成、デザインの検討が必要です。これらの準備・検討には多くの時間がかかり、はがき・封筒では印刷、発送の工程もあります。すべての工程を行うと、1ヵ月以上かかるケースが多いです。
また、はがき・封筒の場合、郵送物の印刷費用、発送費用といった金銭的コストも発生します。
ウェブ広告と比べて、送付先などのリアルタイムの修正ができない
ウェブ広告は、広告配信期間中でもすぐに配信先や配信内容を変更できます。しかし、ダイレクトメールは、発送後に宛先が古いことが判明したり、誤字があったりしても内容は変更できず、発送後の修正・改善ができない点がデメリットです。
送付リストの管理が必要になる
ダイレクトメールを送付する際は、自社の顧客リストから送付リストを作成します。しかし、送付リストの情報が間違っていたり古かったりすると、せっかくコストをかけて送付しても顧客には届きません。そのため、送付リストの情報を最新の状態に保つように、常に管理する必要があります。
また、個人の宛先が含まれる送付リストは、個人情報保護法に則った適切な管理が必要になるという点にも注意しなければなりません。
ダイレクトメール(DM)の作成方法
ダイレクトメールは、一般的に下記の5つの手順で作成します。一つひとつの手順がおろそかにならないよう、やるべきことを管理しながら進めることも重要です。
1. 送付先の決定
最初のステップでは、ダイレクトメールを送る対象者を決めます。
送付先は目的に応じて、年齢・性別・居住地域・世帯年収などの条件で絞ります。さらに、見込み顧客・優良顧客・休眠顧客といったセグメントで分類し、セグメントごとに訴求内容やデザインを工夫すれば、高い広告効果を期待できるでしょう。
2. 訴求内容の決定
送付先を決めたら、ダイレクトメールによって顧客にどのような行動を促したいのかを検討します。目的とする行動が「商品購買」なのか「資料請求」なのかによって、訴求すべき内容は大きく異なります。目的と、目的に応じた顧客のメリットを洗い出すことがおすすめです。
3. デザインの決定
訴求内容を決めたら、目的に合わせた送付物のデザインが必要です。封筒で送付する場合には、封筒の形状のほか、「挨拶状」「パンフレット」「申込書」といった封入するクリエイティブのすべてのデザインを決めなければなりません。
例えば、「開封したくなる封筒」「さらに詳しい内容を知りたくなる挨拶状」など、目的とする行動に至るまでの顧客の行動心理に沿ってデザインしてみるといいかもしれません。
4. 送付時期の決定
デザインが決定したら、顧客への送付時期を検討します。顧客の購買行動を予測して、購買したくなる時期に送付することが重要です。塾・予備校などのように、商品やサービスによっては、購買・利用を検討する時期がある程度決まっているものがあります。その時期に合わせてダイレクトメールを送付するのが効果的です。
5. 効果測定
ダイレクトメールは、送付後の効果測定が重要です。紙媒体でも、返信用はがき・封筒や専用のQRコード(※1)などを活用すれば、成果を数値で測定し、次回以降の改善に活用することができます。
効果的なダイレクトメール(DM)を作成するコツ
ダイレクトメールは、ただ送るだけでは大きな効果は得られません。下記のようなポイントを押さえ、効果的なダイレクトメールを作成していきましょう。
印象に残る見た目にする
はがきや封筒などのダイレクトメールは、顧客は外観で「よくわからない」「興味がない」と思うと、内容を確認せずに捨ててしまう場合も多くあります。そこで、内容に興味を持っていただけるような、印象に残りやすいデザインにすることが重要です。
例えば、明るい色を使って目立たせる、封筒であれば透明な封筒で中身を見えるようにするといった方法があります。
挨拶状を必ずつける
封筒でダイレクトメールを送る場合には、挨拶状をつけると効果的です。挨拶状に宛名を書くことで、個人宛に届いた特別な案内だという印象を与えられます。
さらに、休眠顧客に「前回はご利用ありがとうございました」と書くなど、顧客セグメントに合った内容を入れると訴求力を高めることができます。
顧客にとってのメリットをわかりやすい場所に記載する
顧客に行動を起こしてもらうには、顧客にとってのメリットが必要です。「もっと知りたい」と思ってもらえるような、メリットをわかりやすく見せる表現やキャッチコピー、お得な情報などが有効とされています。
CCCMKホールディングスが提供するダイレクトメール(DM)の種類
CCCMKホールディングスでは、2種類のダイレクトメールを提供しています。
① 郵送ダイレクトメール(はがき/封筒/箱型など)
T会員(Tカード保有者)のご自宅に直接送付することができるダイレクトメールです。はがき/封筒/箱型など、さまざまな形状での送付ができ、サンプル品の同梱も可能です。
② メール(Eメール)
T会員宛に広告主1社の情報のみを紹介するメールを配信することができます。メール内にアンケートを組み込み、顧客の興味・関心を高めながら訴求することも可能です。
CCCMKホールディングスが提供するダイレクトメール(DM)の特徴
Tカードのデータを活用することでできること、3点をご紹介します。
詳細なセグメント設計が可能
約7,000万人のT会員の多種多様なデータ(購買・行動データ、属性データ、外部データなど)を掛け合わせ、最適なセグメント設計をすることができます。
例えば、塾の体験申込を目的としたダイレクトメールであれば、T会員の住所情報と過去の購買データを活用し、塾のある近隣地域に居住かつ、対象年齢のお子さまを持つ親を推測し、アプローチすることができます。
詳細な効果検証が可能
ダイレクトメール送付後、対象者のアクション有無を分析するだけではなく、アクションした人がどのような人なのか、属性や普段の購買傾向なども含め分析することができます。
Tポイントをインセンティブとすることでアクションを促進
「資料請求で100ポイントGET」など、Tポイントをインセンティブとすることで顧客のアクションを促すことができます。
ダイレクトメール(DM)の成功事例
CCCMKホールディングスの過去のお取組みをもとに、Tカードのデータを活用したダイレクトメールの成功事例をご紹介します。
事例:ビールの競合商品からのスイッチングを目的とした郵送サンプリング施策
ビールメーカーさまの施策で、競合商品からのスイッチングを目的とした郵送サンプリングを行いました。
Tカードのデータを活用し、男女20歳以上かつ、競合メーカーのビール購買者をセグメントし、ご自宅に直接ビールの試飲缶を送付しました。
施策実施後、Tカードの購買データをもとに効果検証を行ったところ、ダイレクトメール送付者は非送付者より、該当商品の購買傾向が高いことが分かりました。
ビールの街頭サンプリングをする場合、サンプリング時に年齢確認をする必要があり手間がかかってしまう場合や、自社顧客なのか競合顧客なのか分からず、ばらまくことになってしまうなどの懸念がある中、データを元にしたセグメント設計により、想定顧客層に的確にリーチすることができました。
また、自宅に試飲缶を直接お届けすることで、認知獲得から体験・商品理解までを行うことができ、結果として実購買を促すことができた事例となりました。
ダイレクトメール(DM)の失敗事例
CCCMKホールディングスの過去のお取組みをもとに、Tカードのデータを活用したダイレクトメールの失敗事例と改善策をご紹介します。
住宅メーカーの展示場送客を目的としたメール(Eメール)施策
住宅メーカーさまの施策で、展示場集客を目的としたメール(Eメール)施策を実施しました。
想定顧客層である30~40代男性に加え、年収や興味関心、居住エリアでセグメントしましたが、特に顧客にメリットのある、目新しい情報やお得なキャンペーンなどを実施していなかったため、効果がふるわない、かつ、効果検証ができないという結果になりました。
そのため、2回目の施策実施の際は、Tポイントをインセンティブに設定し、効果検証もできるよう設計しました。「展示場にお越しになると500ポイントプレゼント」などの顧客へのお得感のある情報の訴求はもちろん、Tポイントのデータをもとに、展示会来場者の計測や分析も可能となりました。
結果として、来場者数の伸長と、今まで分析することが難しかった来場者の人となりの理解に繋げることができました。
このように、施策を実施する際は、顧客のアクションの促進や効果検証のための座組み設計も合わせて検討する必要があります。
コツを押さえて効果的なダイレクトメール(DM)を作成しよう
ダイレクトメールは、セグメントに応じて訴求を考え、顧客のメリットをインパクトのあるデザインで示したり、同封物を工夫したりすることが重要です。目的に合わせたセグメントを設計し、顧客にとってより自分事と思ってもらえるようなダイレクトメールを作成してみてくださいね。
CCCMKホールディングスでは、約7,000万人のTカードのデータをもとに、ダイレクトメール施策の戦略立案・実施から効果測定までを総合的に支援しています。
効果的なダイレクトメールの送付をご検討されている場合は、ぜひCCCMKホールディングスにご相談ください。
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