ペルソナとは?マーケティングでの重要性や作成方法、活用事例を紹介
マーケティングにおいて、「ペルソナ」という言葉を聞くことは多いですが、ターゲットとの違いは何かなど、その意味を明確に把握できていない人方もいるかもしれません。
本記事では、ペルソナとは何か、活用するメリットや作成方法について解説します。あわせて、ペルソナを活用する際の注意点や活用事例なども紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次[非表示]
- 1.ペルソナとは、自社の商品・サービスを利用する「典型的な顧客像」
- 1.1.ペルソナとターゲットの違い
- 2.ペルソナを活用するメリット
- 3.ペルソナの作成方法
- 3.1.1. 自社の強みの分析
- 3.2.2. アプローチする顧客層の情報収集
- 3.3.3. 詳細なペルソナの設定
- 4.ペルソナ作成における注意点
- 4.1.先入観や思い込みから離れる
- 4.2.関係者全員がイメージしやすい身近な人物像にする
- 4.3.必要な情報を絞って、複雑になりすぎない人物像にする
- 4.4.作成後も適宜修正する
- 5.ペルソナ作成に役立つCCCMKホールディングスのサービス
- 5.1.ID-POS分析
- 6.CCCMKホールディングスが支援したペルソナの活用事例
- 7.情報収集を入念に行い、ペルソナを作成しよう
ペルソナとは、自社の商品・サービスを利用する「典型的な顧客像」
ペルソナとはラテン語で「人格」という意味で、心理学やマーケティングで使用される用語です。中でも、マーケティングにおけるペルソナとは、自社の商品・サービスを利用する「典型的な顧客像」のこと。これはあくまで、マーケティング施策を検討する際に設定する架空の人物モデルであって、実在する人物ではありません。
しかし、まるで実在する人物かのように、年齢・性別・職業・居住地・趣味・価値観などを想定して、できる限り詳細な顧客像を作り上げていくことが重要です。なぜなら、よりリアルなペルソナを設定することで、チーム内で顧客像を共有しやすくなり、顧客の視点に立って商品・サービスのマーケティング施策を立案しやすくなるからです。
ペルソナとターゲットの違い
マーケティング戦略を立てる際は、ほとんどの場合でターゲットを設定します。ターゲットとペルソナを混同してしまうこともよくあるため、両者の違いを確認しておきましょう。
ペルソナもターゲットも、自社商品・サービスの「顧客像」という意味では同じです。しかし、顧客像の細かさという点で、大きな違いがあります。
ターゲットは「20代・男性・学生」といったように大まかな属性を想定するだけです。一方のペルソナは、下記のように「氏名」「年齢」「出身地」などを細かく設定して、実在していそうな詳細な人物像を作り上げていきます。「将来の夢」「価値観」「生活スタイル」といったことまで明確に設定するため、作成に時間はかかりますが、マーケティング戦略の精度の向上に有用です。
<ペルソナの具体例>
・性別:男性
・年齢:23歳
・居住地:神奈川県
・出身地:宮崎県
・家族構成:一人暮らし(実家には両親が住んでおり、3歳下の妹は東京で一人暮らし)
・学歴:都内の私立大学の大学院1年生
・価値観:シンプル・ミニマムが心地良い
・趣味:映画鑑賞
・志望職種:自動車開発エンジニア
・ライフサイクル:7時起床、9時から18時頃まで講義・研究、19時頃帰宅し夕食、24時頃就寝
・休日の過ごし方:友達と建築物巡り、読書、オンラインゲーム
・現在の目標・悩み:希望の職種に就職したい
・よく見るサイト:YouTube
・よく利用するSNS:Twitter
・インターネットの利用状況・利用時間:1日1~2時間程度
ペルソナを活用するメリット
ペルソナを活用すると、下記のようなメリットがあります。どれも、効果的なマーケティング戦略の立案には欠かせないので、積極的に活用することをおすすめします。
消費者目線に沿った訴求を行うことができる
ペルソナを作成して商品開発やマーケティング戦略を立案することで、訴求力の高い商品・サービスを開発・展開することが可能です。ペルソナは、顧客データをもとに作り上げる代表的な顧客像なので、そのペルソナの心に響く商品・PR方法を検討することで顧客が求める商品を開発・展開できるかもしれません。
担当者間で具体的なイメージを共有できる
ペルソナを設定すると、複数人の担当者で同じ顧客像を具体的にイメージできるようになります。
担当者ごとにイメージがバラバラだと、プロジェクトがスムーズに進まなくなったり、効果的なマーケティング戦略が立案できなかったりすることも考えられます。
しかし、ペルソナを設定していれば、同じ人物像をイメージできるため、担当者間でスムーズに意見交換して方向性を統一することが可能です。同じ部署の従業員はもちろん、他部署の従業員ともペルソナを共有できるため、商品開発からマーケティングまで一貫性のある施策が実現できます。
マーケティング戦略が明確になり、時間・コストを削減できる
ペルソナを設定すれば、チーム内でプロジェクトの方向性が明確になり、マーケティング施策の立案をスムーズに行うことができます。
もちろん、ペルソナを設定しなくても、マーケティング戦略を立てることはできます。しかし、担当者によって方向性が異なることが後から判明すると、その調整に多くの時間を要することがあるため、ペルソナを設定することで効率的に戦略を立てるためことができるかもしれません。
ペルソナの作成方法
ペルソナの作成は、下記の3つのステップで進めるのが一般的です。自社の状況を分析・整理して、可能な限り詳細に顧客像を想定してください。
1. 自社の強みの分析
ペルソナの設定では、訴求ポイントを抑えるために自社の強みを分析します。
自社の強みを分析するには、下記のようなフレームワークを活用するのがおすすめです。
<自社の強みの分析に役立つフレームワーク>
・3C分析
・SWOT分析
・PEST分析
・5F(ファイブフォース)分析
これらのフレームワークによって、市場における自社の立ち位置や外部環境、今後起こりうる脅威などもあわせて把握できるでしょう。
各フレームワークについて詳しくは、下記の記事をご参照ください。
【関連記事】市場分析とは?主な分析項目やフレームワーク、成功事例を紹介
2. アプローチする顧客層の情報収集
自社の強みが分析できたら、アプローチする顧客層に関する情報を集めます。
すでに販売している商品・サービスのマーケティングを検討するときは、実際に購買した顧客の年齢・性別などの情報を活用できるでしょう。顧客データから最も購買の多い層を分析し、ウェブアンケートや街頭インタビューなどを実施することで、価値観や生活スタイルといったペルソナに必要な情報の収集が可能です。
新たな商品・サービスのマーケティングを検討する場合には、SNSやクチコミサイトなどでアプローチしたい層の生の声を収集したり、ウェブアンケートやインタビューを実施したりすると効果的です。
アンケートなどの市場調査について詳しくは、下記の記事をご参照ください。
【関連記事】市場調査のやり方とは?種類やマーケットリサーチとの違い、活用事例
3. 詳細なペルソナの設定
アプローチする顧客層について十分な情報が集まったら、そのデータをもとにペルソナを作成していきましょう。
ペルソナの作成では、下記のような詳細な情報を検討します。住所・氏名・年齢などだけではなく、現在の仕事や職歴、ライフスタイルなどについて細かく設定していくことが重要です。
■ペルソナ作成で設定する主な項目
ペルソナ作成における注意点
ペルソナを作成する際には、ただ詳しい想定顧客像を設定すればいいわけではありません。下記の4点に注意しながら、人物像を想定していくことが重要です。
先入観や思い込みから離れる
つい「こういう顧客であってほしい」という理想をもとにペルソナを作ってしまい、現実の顧客と乖離した顧客像を作り上げてしまうことがあります。SNSやクチコミサイトから情報を収集し、顧客へのアンケートやインタビューで客観的なデータを得てペルソナ作成に活用するのがおすすめです。
関係者全員がイメージしやすい身近な人物像にする
ペルソナは、社内の関係者が同じ顧客像をイメージして、マーケティング戦略を立案するためのものです。そのため、ペルソナは関係者全員がイメージしやすい、身近な人物像にする必要があります。よりイメージしやすくするために、顔写真を設定するのも有効です。
必要な情報を絞って、複雑になりすぎない人物像にする
大勢の顧客データをもとにペルソナを作ると、情報を詰め込みすぎてかえって人物像がわかりにくくなってしまうことがあります。もちろん、ペルソナを構成する情報はできるだけ詳細にする必要がありますが、人物像の想定に不要な情報まで盛り込んでしまうと、複雑になりすぎてマーケティング戦略が立案しにくくなるでしょう。シンプルでわかりやすい顧客像を作り上げることが重要です。
作成後も適宜修正する
ペルソナは、一度作成しただけで満足せず、定期的に見直さなければなりません。なぜなら、社会の変化や時間経過によってペルソナの価値観や悩み、行動パターンなどが変化することがあったり、設定したペルソナが実は実態と合っていなかったと後から判明するケースもあったりするためです。
ペルソナを設定した後も、必ずPDCAサイクルを回して、ブラッシュアップすることが大切です。
ペルソナ作成に役立つCCCMKホールディングスのサービス
CCCMKホールディングスでは、下記のようなサービスを活用して顧客の分析を行うことが可能です。
ID-POS分析
CCCMKホールディングスが保有している膨大な購買データをさまざまな切り口で詳細に分析できるサービスです。自社商品購買者のペルソナ分析から新商品を購買するであろう方のペルソナ策定などにもご活用いただけます。
媒体資料はこちら
CCCMKホールディングスが支援したペルソナの活用事例
事例①想定顧客と実際の顧客とのずれを見直し!
新商品の発売前に購買者の想定ペルソナを設定していたとしても、実際に販売してから想定とのずれが生まれることもあるかと思います。
ある飲料のプロモーションでは、クライアントさまは従来商品と同じくファミリー層を想定顧客としていましたが、購買者の分析を行ったところ実際の優良顧客は「プレミアム志向のシニア世代」であることがわかったので、CMの枠を変更し実際の購買者に近しい方に訴求を行うことができました。
ID‐POS分析を行ったことで想定顧客と実際の購買者のズレが明らかになり、プロモーション戦略の見直しにつながった事例です。
このように、実際の購買データを活用して正しいペルソナ設定を行うことが可能です。
事例②購買書籍から自社商品の購買者・潜在顧客のペルソナ設定
自社商品の購買者分析を行うことで、自社商品のさらなる価値発見や潜在顧客のペルソナを見つけることも可能です。
ある食品メーカーさまでは、自社商品の購買者が購買している書籍や雑誌を分析することで購買者層の「料理の手間は減らしておいしい料理を作りたいけど、愛情もきっちりと伝えたい」という隠れたインサイトを見つけることができました。
結果として自社商品を活用したレシピ本を作成し、「おいしくて簡単で愛情を伝えられる」という点を訴求したクリエイティブを制作することでよりペルソナに寄り添ったプロモーションに繋がり、取組前と比べて製品売り上げが3倍にアップするという成果を実現したのです。
このように、併買している書籍や商品などさまざまな角度から人となりを明らかにしてペルソナ設定などを行うことも可能なので、ぜひご相談ください。
情報収集を入念に行い、ペルソナを作成しよう
ペルソナを設定すると、顧客目線に立った訴求力の高い商品を企画できたり、マーケティング戦略立案のコストを下げたりすることが可能です。より効果的なペルソナを作るために、多くの顧客から網羅的に情報を収集するといいでしょう。
しかし、場合によっては、顧客データの収集やペルソナを細かく作り上げるためのリソースが社内で確保できないケースもあるかもしれません。そのような場合には、外部の調査会社などのサービスを活用するのがおすすめです。
CCCMKホールディングスでは、ペルソナの作成やマーケティング戦略の立案を支援するサービスを提供しています。ペルソナ作成にお困りの場合には、お気軽にご相談ください。
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