LTVはなぜ重要?計算方法や向上に成功した事例を紹介
近年、市場は飽和状態になりつつあり、新規顧客獲得にかかるマーケティングコストが高くなっているため、いかにリピーターを増やせるかが重要になっています。そこで、多くの企業に注目されているのが、顧客が自社商品・サービスを使用開始してから終了するまでに得られる利益を指すLTVという指標です。
本記事では、LTVの重要性が増している理由や計算方法のほか、LTV向上策について解説します。
目次[非表示]
- 1.LTVとは、顧客の商品・サービスの利用開始から終了までに得られる利益のこと
- 2.LTVの重要性が増している理由
- 3.LTVの計算方法
- 4.LTV向上のための手法
- 4.1.平均顧客単価の向上策
- 4.1.1.顧客が購買する商品単価を上げる
- 4.1.2.顧客が購買する商品数を増やす
- 4.2.収益率の向上策
- 4.3.購買頻度の向上策
- 4.4.継続期間の向上策
- 4.5.新規顧客獲得・既存顧客維持コストの削減策
- 5.LTV向上に役立つCCCMKホールディングスのサービス
- 6.CCCMKホールディングスが支援したLTV向上の成功事例
- 6.1.製薬メーカー|リアル購買セグメント
- 6.2.教育系企業|疑似リターゲティング広告
- 7.外部企業の支援もうまく活用して、LTVを向上させよう
LTVとは、顧客の商品・サービスの利用開始から終了までに得られる利益のこと
LTVとは、Life Time Value(顧客生涯価値)の略称で、顧客が自社の商品・サービスを使用開始してから終了するまでに自社が得られる利益を指す言葉です。LTVが高いということは、リピーターが自社の商品・サービスを継続的に利用してくれているということであり、売上を増やすには、新規顧客を獲得し続けるだけでなく、リピーターを増やしてLTVを向上することが重要です。
動画・音楽配信サービスや健康食品の定期購買などに代表されるサブスクリプション型のビジネスでも、LTVはもちろん重要です。また、スーパーマーケットやコンビニといった買い切り型の小売業などでも、顧客に商品・サービスを長期的に購買・利用してもらえるかが利益に直結します。そのため、企業のマーケティング部門や営業部門では、LTVをいかに最大化できるかが大きな課題となっているのです。
LTVの重要性が増している理由
企業がLTV向上に注力するようになったのには、市場が飽和状態になりつつあることも影響しています。成長段階の市場であれば、顧客のニーズを満たした商品・サービスを展開すれば、比較的容易に新規顧客を増やせるでしょう。しかし、市場が飽和状態になると、新たな需要を喚起するのが難しくなり、新規顧客を獲得するハードルが高くなります。
そのため近年では、いかに自社の顧客を定着させ(顧客のファン化)、サブスクリプションなども活用しながらLTVを高められるかが重要になっています。
LTVの計算方法
LTVの計算方法にはいくつかの種類がありますが、下記の計算式が最も一般的です。
<一般的なLTVの計算式>
LTV=平均顧客単価×収益率×購買頻度×継続期間
例えば、収益率40%の商品を、平均して1回2万円顧客が購買していて、年2回の購買頻度が2年間継続している場合、LTVは「2万円×40%×2回×2年=3万2,000円」だとわかります。つまり、顧客1人あたり3万2,000円の利益が見込める状態だといえるのです。
しかし、上記の計算式では、新規顧客の獲得や既存顧客の維持に必要なコストが考慮されていません。これらのコストを考慮する場合は、下記のように計算します。
<新規顧客獲得・既存顧客維持コストを考慮した場合のLTVの計算式>
LTV=平均顧客単価×収益率×購買頻度×継続期間-(新規顧客獲得コスト+既存顧客維持コスト)
先ほどの条件に加えて、新規顧客獲得コストが2万円、既存顧客維持コストが1,000円だったとすると、これらのコストを考慮したLTVは、「2万円×40%×2回×2年-(2万円+1,000円)=1万1,000円」となります。
LTV向上のための手法
LTVを向上させるには、「平均顧客単価」「収益率」「購買頻度」「継続期間」を向上させることと、「新規顧客獲得コスト」「既存顧客維持コスト」を削減することが重要です。
それぞれの具体的な対策としては、下記のような方法が考えられます。
平均顧客単価の向上策
平均顧客単価、つまり1人当たりの購買額を上げられれば、LTVの向上には非常に効果的です。顧客1人当たりの購買額を上げるには、顧客が購買する商品の単価を上げる方法と購買する商品数を増やす方法の2つがあります。
顧客が購買する商品単価を上げる
平均顧客単価を上げるための最もシンプルな方法は、販売している商品の価格を上げることです。ブランドに愛着があり、商品に現在の価格以上の価値を感じている顧客であれば、多少価格が上がっても離れることはないでしょう。しかし、「安さ」を理由に購買している顧客層には、購買されなくなるおそれがあります。そのため、価格を上げる際は、慎重な検討が必要です。
よりリスクを抑えて顧客に購買してもらう商品の単価を上げるためには、アップセルという方法があります。アップセルとは、通常商品より高い品質を持つ上位商品をラインナップし、顧客には購買商品を上位商品に切り替えてもらうことで、購買単価を上げることを指します。上位商品にふさわしい品質を備えている必要はありますが、顧客に納得してもらえるような商品であれば、購買単価だけでなく顧客満足度も向上させることが可能です。
顧客が購買する商品数を増やす
顧客が購買する商品数を増やす方法として挙げられるのが、クロスセルです。クロスセルとは、すでに購買を決めている商品だけでなく、関連商品もセットで購買してもらうことをいいます。
ECサイトで特定の商品を買いものかごに入れた際に、同じ商品を買ったほかの人の購買履歴から、「ほかの人はこのような商品も買っています」といった形で表示されるレコメンド機能は、クロスセルを促すための代表的な方法です。
収益率の向上策
収益率を高めることも、LTVの向上には欠かせません。収益率を向上させるのは簡単ではありませんが、仕入原価や製造コストなどを削減することが必要です。
販売商品を仕入れている場合はより安い価格で購買できる仕入先はないか、自社製造している場合は製造過程でより効率化できる部分がないか、検討しましょう。
購買頻度の向上策
頻度を向上させるには、一度商品を購買した顧客に対する定期的なリマインドが有効です。顧客は、一度自社で商品を購買したからといって、再び自社で同じ商品を購買してくれるとは限りません。次の購買タイミングでは、他社商品を候補として検討している場合もあります。
そのため、顧客のメールアドレスを取得しているのであれば、次の購買時期に合わせてリマインドメールを送るといった方法で、次回も自社で購買してもらえるように施策を打つことが重要です。
継続期間の向上策
長く商品・サービスを利用してもらうためには、顧客をロイヤルカスタマーに育成すること、つまりブランドに愛着を持ってもらうことが必要となります。価格の安さのみの訴求では競合他社に乗り換えられやすいため、より長く利用してもらうために、「このブランドだから買いたい」と思ってもらわなければなりません。
顧客をファン化するための方法はいくつかありますが、有効な方法のひとつが、定期的なメールマガジン(メルマガ)配信です。メルマガでは、自社商品の強みやメリットを訴求するだけでなく、お役立ち情報などを配信して顧客との良い関係を構築するようにすると、ブランドに好印象を持ってもらうことができ、商品・サービスをより長く利用してもらえるでしょう。
また、長期顧客を優遇するような特典を提供するのも有効です。例えば、購買回数が一定になったらサプライズで記念品や試供品を送るといった方法によって、顧客に「この企業をこれからも利用し続けよう」と思ってもらえる可能性が高まります。
新規顧客獲得・既存顧客維持コストの削減策
LTVを向上するためには、「MAツール」や「CRMツール」を活用して顧客ひとりひとりに合わせたマーケティングを検討する方法があります。
MAツール
新規顧客獲得コストを削減するための方法としておすすめなのが、MAツールです。MAツールを活用すると、試供品の送付依頼やサービスのトライアルをした顧客など、今後購買する可能性が高い「見込み顧客」を育成できます。
自社のウェブサイトの閲覧履歴やメルマガ開封の有無といった顧客の行動履歴から、顧客一人ひとりをスコアリング(点数化)するため、商品に対する温度感が高い顧客にピンポイントでアプローチできるのです。効率的にマーケティングできるため、新規顧客獲得のコストは大幅に削減できるでしょう。
CRMツール
既存顧客維持コストを削減するには、CRMツールが有効です。CRMツールとは、顧客の基本情報や購買履歴、問い合わせ履歴などを一元管理するツールです。
メール配信機能もあるため、例えば「一度購買して半年購買していない顧客」に、購買を促すメールを一斉配信することもできます。顧客の状況に合わせてメールを配信できるため、効果的に顧客との関係を構築でき、業務効率も大幅にアップします。
LTV向上に役立つCCCMKホールディングスのサービス
LTVを向上させるアップセル・クロスセル施策で重要な役割を担っていたCookieですが、特に広告にもちいられていた3rdパーティCookieは近年規制の動きが強まっています。
そこで、自社で保有する1stパーティデータを活用したいけど、自社データだけでは顧客像が不鮮明…ということもあるのではないでしょうか。
CCCMKホールディングスが保有する約1.3億人(有効ID数)のT会員の購買・行動データがシングルIDでつながる1stパーティデータを活用したデジタル広告施策も実施可能です。
媒体資料はこちら
CCCMKホールディングスが支援したLTV向上の成功事例
今回は、デジタル広告に絞って事例をご紹介します。
製薬メーカー|リアル購買セグメント
ある製薬メーカーさまで栄養ドリンクをジタル広告で訴求する際、自社商品や競合商品購買者をリアルな購買履歴からセグメントし、アプローチを行ったところ、非広告接触者の1.3倍のオフライン購買に繋がりました。
施策後は広告接触者と非接触者の購買データを分析して、実際に買ったのか・買ってないのかまで効果検証可能です。
購買・行動データがシングルIDでつながっているからこそできる施策です。
教育系企業|疑似リターゲティング広告
リターゲティング広告は従来3rdパーティcookieを活用していたためできなくなるのではという懸念の声が多いですが、CCCMKホールディングスのデータを活用すればデジタル広告配信後にクリック者限定で郵送DMを送付することなども可能です。
実際にある教育系企業さまでデジタル広告+郵送DMの疑似リターゲティング広告を行った際、広告接触者のCTRが上昇しました。
Cookieに依存しない、人ベースでのリターゲティングも可能ですので、ぜひご相談ください。
外部企業の支援もうまく活用して、LTVを向上させよう
LTVを向上させることで、売上の安定・拡大が期待できるようになります。LTVにはさまざまな要素が関わることから、自社の現状を分析して、施策を一つひとつ実行していくことが重要です。
しかし、現状の分析をしたり、対策を検討したりするリソースが社内にない、またはやり方がよくわからないといったケースも多いかもしれません。
CCCMKホールディングスでは、LTV向上のためのマーケティング施策立案に役立つ、さまざまなサポートを提供しています。LTVの向上策にお困りの場合は、ぜひCCCMKホールディングスにお気軽にご相談ください。
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